2018.07.31

ロケッツを率いるマイク・ダントーニHC「ウォリアーズは無敵ではない」

ロケッツの指揮官ダントーニHC(右)と大黒柱ハーデン(左)[写真]=Getty Images
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ハーデンを軸にリーグトップレベルのチームへと昇華したロケッツ

 7月31日(現地時間30日)、ウエストバージニア州で現地メディア『Houston Chronicle』の記者に対して、ヒューストン・ロケッツのマイク・ダントーニHCが口を開いた。

 昨季リーグトップの65勝を挙げ、カンファレンス・ファイナルに進出したロケッツは、ゴールデンステート・ウォリアーズ相手に第7戦の末に敗退。NBAファイナルまであと1勝にまで迫った。

 ところがオフシーズンに突入後、ロケッツが見せた動きは決して芳しくはない。クリス・ポールとジェラルド・グリーン、クリント・カペラとの再契約こそ結んだものの、トレバー・アリーザ(現フェニックス・サンズ)、ルーク・バー・ア・ムーテ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)を失ったことで、特にディフェンス面で戦力ダウンがささやかれている。

 もっとも、ロケッツは198センチの長身ガード、マイケル・カーター・ウィリアムズとフォワードのジェームズ・エニス三世を獲得し、アトランタ・ホークスとのバイアウトを経て、カーメロ・アンソニーが加入することが濃厚と報道されており、少なくともオフェンス面では破壊力が増したと言っても過言ではない。

PGからSFまで3つのポジションをこなせるカーター・ウィリアムズは、ディフェンス面で期待されている[写真]=Getty Images

 そんな中、ダントーニHCはこう語る。

 「(批判する人たちに対して)我々はそれが間違っていることを証明することが仕事なんだ。ここ2年、我々は実際にそれを証明してきた。『ジェームズ(・ハーデン)はポイントガードにはなれない』『このチームの選手たちは一緒にプレーできない』といったことをね。我々はまた一つ大きなステップを踏むことができた。私はこのチームに自信を持っているし、選手たちのことが大好きだ。今季こそ、(優勝という)ラストステップを踏みたいところだね」。

ターゲットは最大の難敵ウォリアーズを打ち砕いて優勝することにほかならない

 今季のウエスタン・カンファレンスは、2連覇中のゴールデンステート・ウォリアーズだけでなく、戦力増強に成功したオクラホマシティ・サンダー、デマー・デローザンを加えたサンアントニオ・スパーズ、そしてレブロン・ジェームズが加入したロサンゼルス・レイカーズなど、昨季よりもさらに激しくなることが予想できる。それはダントーニHCも十分理解している。

昨季のプレーオフ、ウォリアーズとのウエスト決勝で、ポールがハムストリング負傷のため最後の2戦を欠場。この男がいれば、打倒ウォリアーズを果たせたかもしれない[写真]=Getty Images

 「(ウエストは)本当にタフだ。ジェームズは毎晩ベストを尽くすと思う。それは決して変わったりしない。ここ数年、ゴールデンステートは無敵に見えたかもしれない。昨年もね。だが彼らは決して無敵ではないんだ」と語り、ウォリアーズに勝利すべく、ベストを尽くすと語ったダントーニHC。

 主力選手を失ったとはいえ、ロケッツには昨季のシーズンMVPハーデンを筆頭に、ポールやエリック・ゴードン、カペラ、PJ・タッカーといった役者がおり、カーメロが加わればリーグトップレベルの戦力を保持できるに違いない。

 おそらくロケッツは今季、ウォリアーズの3連覇を阻む最有力候補として挙がるだろう。昨季フランチャイズ史上ベストの65勝を挙げたこのチームにとって、必要なのはウォリアーズを下してチャンピオンシップを勝ち取ることのみ。

 はたして、これまで批判にさらされ続けてきたロケッツに、優勝という名の勲章が加わる日は来るのか。その可能性は、決して低くはないはずだ。

ウォリアーズとロケッツ。カリー(左)とハーデン(右)は、今季も優勝争いの中心で戦うことになるはずだ[写真]=Getty Images

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