ファーウェイ副会長、カナダ政府を提訴 不当逮捕と
中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)の孟晩舟副会長は、昨年12月にカナダ当局がアメリカの要請で自分を逮捕したことについて、カナダを提訴した。
創業者の娘でもある孟副会長は昨年12月、ヴァンクーヴァー空港でイラン制裁違反と関連した詐欺の容疑で逮捕され、今年1月末に起訴された。アメリカ当局は副会長の身柄引き渡しを求めているが、本人は罪状を否認している。
孟被告は今回、カナダ政府と入国管理局、警察が自分の市民権を「著しく侵害」したとして行政訴訟を起こした。
中国は、被告の逮捕と身柄引き渡し手続きは「政治的案件」だとして非難している。
<関連記事>
勾留は「違法」で「横暴」
ブリティッシュ・コロンビア上級裁判所に1日に提出された訴状で、孟被告はカナダ政府と王立カナダ騎馬警察(RCMP)、カナダ入国管理局(CBSA)による公民権侵害を訴えている。
被告はRCMPに逮捕される前、CBSAが不当な主張を根拠に自分を拘束し、所持品を調べ尋問したと訴えている。
その上で、当局は「原告を即座に逮捕しないと情報が得られないとは思っていなかったが」、その場で孟副会長を逮捕し、カナダ人権憲章に基づく権利を侵害したと訴えた。
さらに、孟副会長の勾留は「違法」で「恣意的」なもので、当局は「勾留の理由や弁護士を呼ぶ権利、黙秘権を意図的に教えなかった」と指摘した。
各国の反応は?
孟副会長の逮捕をめぐり、中国とカナダ、そしてアメリカの関係が悪化している。
米司法省は1月、ファーウェイと孟副会長を23件に上る罪状で起訴した。銀行詐欺、通信詐欺、司法妨害のほか、米通信機器大手Tモバイルから技術を盗もうとした罪に問われている。
中国は、こうした動きは米・カナダ間の「身柄引き渡し協定の乱用」だと非難した上で、これに「断固として反対」し、「強い不満」を示すとしている。
一方でカナダは、副会長の逮捕は法律に基づいていると述べた。カナダ国籍の2人が、副会長逮捕への報復措置として中国当局に逮捕されたと考えられている。