ハリー王子に「ジェット機多用」批判 エルトン・ジョン氏が擁護

Prince Harry and Sir Elton John

画像提供, PA Media

画像説明, 人気歌手エルトン・ジョン氏(右)はハリー王子と妻メガン妃と親交がある

環境保護への関心の高さで知られる英サセックス公爵ハリー王子と妻のメガン妃が、移動に小型ジェット機を多用し、英メディアで批判を浴びている。これに対し、英人気歌手サー・エルトン・ジョンは「安全のため」と夫妻を擁護した。

報道によると、夫妻は11日間で4回、小型ジェット機で移動を繰り返した。行き先には、フランス南東部ニースにあるエルトン・ジョン氏の私邸も含まれていたという。

小型ジェット機は乗客が少ないため、乗客1人当たりの燃料の消費量は、一般の旅客機よりずっと多い。

ハリー王子は、メガン妃が編集したファッション誌「ヴォーグ」の9月号で、「私たちは、この惑星が自分たちだけのものだと考えていると思われる唯一の生き物だ」と発言するなど、気候変動問題への取り組みの重要性を訴えてきた。

「手本となるべきだ」

18日付の英紙サンは、「エコ戦士」の王族が「新たな偽善騒動へと飛行」したと報道。夫妻が欧州本土への移動にあたり、この1カ月で2回目となる小型ジェット機での旅を選んだと伝えた。

同紙はまた、最大野党・労働党テリーザ・ピアース議員が夫妻に対し、環境問題において「範を示してほしい」と求めたと報じた。

王室側は、この問題へのコメントを拒んでいる。

エルトン・ジョン氏が擁護

エルトン・ジョン氏はソーシャルメディアで、夫妻と息子アーチーちゃんの一家を私邸に招いた際に、移動手段として同氏所有の自家用ジェット機の使用を提供したと明かした。

「サセックス公爵夫妻が先週、ニースのわが家を私的に訪れたことをめぐる、現在のねじ曲げられ悪意のある報道を深く悲しんでいる」

「ハリー王子の母親である皇太子妃ダイアナは、私の親友の一人だった。ダイアナを死に追いやったようなメディアの不必要な侵害行為からハリーと家族を守ることは、私の義務だと心底思っている」

「デイヴィッドと私は若い一家に、熱心な活動と慈善事業への献身を続けた大忙しの1年を過ごした後に、安全で静かな私たちの家で個人的な休暇を過ごしてほしいと思った」

「非常に必要性の高い、高度な安全対策を取るため、私たちは一家に自家用ジェット機での飛行を提供した」

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エルトン・ジョン氏は同じ投稿で、「ハリー王子の環境問題への取り組みを支援するため」として、カーボン・オフセットの費用を支払ったことも明らかにした。

これは、ジェット機を使って炭素を排出した一家の移動の「埋め合わせ」に当たるもの。エルトン・ジョン氏が支払ったお金は、炭素排出の削減に取り組むプロジェクトに投資される。

同氏はさらに、メディアに対し、「ほぼ毎日のようにでっち上げられる、執念深い人格攻撃」をやめるよう強く訴えた。

「環境派」のハリー王子

ハリー王子は、ヴォーグ誌のほか、自身のインスタグラムでも環境問題への関心の高さを示していた。

先月には、環境問題を想起させる写真とともに、「環境破壊は、経済成長につきものの副産物とみられてきた」、「私たちはやっと、自分たちが引き起こしてきたダメージに気づき、理解し始めている。地球には77億人近くが暮らし、すべての選択、すべての足跡、すべての行動が変化を生む」とメッセージを発した。

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6月に公表された統計によると、王室の公務の移動に伴う炭素排出量は、前年に比べて2倍に増えている。

これは、チャーター機を使った外国訪問が増えたためとされる。外国訪問は外務省が予定を立てる。

王室はこのところ、環境にやさしい暖房と照明に努めており、それを勘案すると、炭素排出量は前年とほぼ同程度になるとされる。

英メディアとの関係が冷え込む

王子夫妻を擁護するエルトン・ジョン氏に同調する意見も出ている。

労働党のデイヴィッド・ラミー議員はツイッターで、「ハリーとメガンを追い回すのは、下劣な人種差別や外国人排除の色彩を帯びた魔女狩りになりつつある」と発言した。

BBCのアモル・ラジャン・メディア担当編集長は、英メディアと王子夫妻との関係が最近、悪化していると指摘。環境問題を議題にしながら出席者の多くが自家用ジェット機で参加した、グーグル主催のサミット会合(イタリアのシチリア島で開催)に夫妻が出席したことが、英メディアの不評を買ったとしている。

また、今回の一連の報道の直前には、メガン妃が人口過多への懸念も理由に、2人以上の子どもをつくらない可能性を示唆。それも、英メディアが夫妻への批判を強めるきっかけとなったと分析している。