エリザベス英女王、対面での公務に復帰 フィリップ殿下死去後初めて
イギリスのエリザベス女王は13日、夫のエディンバラ公フィリップ殿下が亡くなってから初めて、対面での公務を行った。
女王はこの日、ピール伯爵がチェンバレン卿を辞任するに当たって、ウィンザー城において式典を主催。ピール伯爵からチェンバレン卿の杖と紋章を受け取った。
フィリップ殿下は9日に99歳で亡くなった。王室は2週間の喪に服しており、葬儀は17日にウィンザーで行われる予定。
王室は、王族メンバーの公務について、「状況に応じて行っていく」としている。
フィリップ殿下の葬儀計画を指揮
この日の式典は、王室の公務記録である「コート・サーキュラー」に記録された。
それによると、「ピール伯爵はきょう女王陛下をお迎えし、チェンバレン卿の杖と紋章、そしてロイヤル・ヴィクトリア勲章長官職の記章を返還し、チェンバレン卿としての地位を退いた。女王陛下はロイヤル・ヴィクトリア頸飾を授けた」とある。
チェンバレン卿は、イギリス王室で女王の公務などを取りまとめる最高職。また、王室内のチェンバレン卿オフィスは、王族が参加する各種式典を取り仕切っている。
ピール伯爵は昨年、チェンバレン卿を辞任すると発表。フィリップ殿下が亡くなるわずか1週間前に、元情報局保安部(MI5)トップのアンドリュー・パーカー男爵が引き継いだ。
伯爵はこれまで、「オペレーション・フォース・ブリッジ」という名称で呼ばれてきたフィリップ殿下の葬儀計画を指揮してきた。
17日の葬儀当日の運営は、チェンバレン卿オフィスとその指揮官であるマイケル・ヴァーノン中佐が取り仕切るが、全体の責任者は新任のパーカー男爵となる。
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フィリップ殿下の葬儀は4月17日午後3時から、ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で執り行われる。葬儀はテレビ中継されるが、国葬の扱いにはならない。
英王室によると、葬儀の計画は9日に亡くなったフィリップ殿下自身の意向を「大いに」反映したもので、新型コロナウイルス対策に沿ったものになっているという。
葬儀参列は近親のみ
フィリップ殿下の棺は公開安置されず、亡くなったウィンザー城内の家族の礼拝堂に安置される。棺は公爵の紋章旗で覆われ、花輪が上に置かれる。
また、新型ウイルス対策として、葬儀の参列者は近親者30人に限られる予定。
殿下の棺は当日、ウィンザー城内の家族の礼拝堂から正面玄関に運ばれた後、殿下自ら設計に関わったランドローバーに載せられ、8分間をかけて敷地内の聖ジョージ礼拝堂へ向かう。
チャールズ皇太子を先頭に王室関係者が棺の後ろを歩く。エリザベス女王は葬列とは別に、聖ジョージ礼拝堂へ移動する。参列者は感染対策のため社会的距離を保ち、マスクを着けるという。
葬儀のため、ハリー王子も米カリフォルニアから帰国している。一方、ハリー王子の妻メガン妃は第2子を妊娠中のため、飛行機で移動するべきでないという医師の助言に従い欠席する。