老舗メーカーのパテ食べ比べ! 缶詰ひとつで本格フレンチ

レビュー

2021/07/04 11:30

 お酒のつまみやキャンプでの一品にぴったりの「パテ」は缶詰ひとつで食卓がフレンチレストランに変身するすぐれものだ。どうせなら本場の味わいを楽しんでみたいと思い、今回はフランスの老舗メーカー「エナフ」のパテ2種類を食べ比べしてみた。

フランスの老舗メーカー「エナフ」のパテ。
缶詰でそれぞれ3年以上保管ができるため保存食としても重宝される

フランス産ポークを使用した本格フレンチ

 
左から「エナフレバーパテ」、「エナフ パテ・ド・カンパーニュ」(各289円)

 1907年、フランスのブルターニュ地方に設立された「エナフ」は、ポーク・パテを中心にフランスで人気の食品メーカー。フランス産ポークのみを使用するなど、こだわって作られた商品は世界中に多くのファンを持つ。気軽に本場フランスの味を楽しめる缶詰、今回は「レバーパテ」と「パテ・ド・カンパーニュ」を購入してみた。
 
「エナフレバーパテ」は牛乳や生クリームを使用した食感が魅力

 まずは「レバーパテ」から開封。発色剤を使わず、豚脂肪・豚肝臓・牛乳・生クリーム・エシャロット・食塩・香辛料とシンプルな味付けで作られている。缶いっぱいになめらかなレバーが詰め込まれており、見た目だけでそのなめらかさを感じられた。ほのかに豚レバーの香りが漂う。
 
左が切り分けてすぐのもの。缶いっぱいに詰め込まれているため、
形は変わらないが、右のようにナイフで伸ばすとすぐになめらかに

 フランスパンにつけて食べてみる。ナイフですくった感触は柔らかく、最初は固まっているものの伸ばすとすぐにほぐれた。レバーの生臭さは少なく、素朴な味わい。牛乳と生クリームのおかげだろうか、しっとりとした口どけは固めのフランスパンとの相性がよく、食感も味もバランスよく感じられた。ただし、少し甘さが強く、レバー本来の独特な味覚を期待していた筆者には少々物足りなかった。そのまま食べるより、サラダなど他の料理と混ぜていただくほうがよさそうだ。

濃厚なポークの味わいがワインのお供にぴったり

 
「エナフ パテ・ド・カンパーニュ」はフランス語で「田舎風のパテ」の意味を持ち、
パッケージにも記載されている

 続いては豚肉やレバーをミンチにしたフランスの伝統的な家庭料理「エナフ パテ・ド・カンパーニュ」をいただく。“豚肉の食感を残した素朴な田舎風パテ”とパッケージに記載がある通り、豚レバー、豚脂、豚肉の食感がそれぞれしっかりと感じられる。
 
豚肉の素材感が残っているため、伸ばすのが少し難しい

 「レバーパテ」のようななめらかさはなく、少し固めの食感。ほろほろと口の中でほどける感覚が楽しい。豚脂の甘みと豚レバーの濃厚な味わい、豚肉の塩味が絶妙で、レストランでフレンチをいただいている気分になれた。肉の味をしっかりと感じられるので、食事としての満足感も十分に得られる。

 クリーミーな「レバーパテ」と素材を生かした「エナフ パテ・ド・カンパーニュ」。豚肉の魅力がそれぞれ違った形で引き出されている。個人的には濃厚さ、食感ともに「エナフ パテ・ド・カンパーニュ」のほうが好みであった。ぜひ赤ワインと合わせていただきたい。飲むお酒やシーン、合わせる食材によって使い分けてみてはどうだろうか。(エフェクト・霜越緑)

※記事中の価格は購入時もの