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英首相に3週間猶予-延期3カ月か来年までか決断迫るとEU高官

更新日時
  • 長期延期か3カ月後に「合意なき離脱」の危険冒すか判断する必要
  • 首相が賭けに出て失敗してもEUが再延期を認めないのはほぼ確実
メイ首相

メイ首相

Photographer: TOLGA AKMEN/AFP

メイ英首相は欧州連合(EU)離脱について、2020年になるまで延期するか、3カ月後に「合意なき離脱」の危険を冒すか、4月半ばまでに決断するようEUから迫られる可能性が高い。EUの高官の1人が明らかにした。

  EUが21、22日にブリュッセルで開く首脳会議では、現在の離脱合意案を7月までに議会で通す可能性に賭けるかどうか、3週間以内に決めるようメイ首相に最後通告が突き付けられることになりそうだ。

  EU高官によれば、メイ首相ができると判断し賭けに出れば、裏目となった場合でも、離脱延期を求めるさらなる要請をEUが拒否するのはほぼ確実であり、7月に合意なき離脱のリスクが生じる。3カ月で議会の承認を得ることは無理だと首相が判断すれば、EUは来年以降への延期を認める方向とされるが、英国内で政治的に有害な影響が予想される。

  バーコウ英下院議長が、大幅な修正がない限りメイ首相の離脱案の3度目の採決を許可しないと今週発表したことで、首相の離脱戦略は機能不全に陥った。しかしEU当局者らは、離脱案の英議会通過を目指す首相を助ける努力を続けており、これを「プランA」と位置付けている。離脱延期長期化の可能性が離脱推進派の政治家を恐れさせ、離脱案への支持を促すとEU当局もある程度期待しているという。

  EU高官によると、英議会の離脱推進派に延期を受け入れ難くするため、何カ月も離脱が延期されても、現在の離脱協定案の再交渉は受け入れられないとEU首脳らはあらためて主張する公算が大きい。

  複数のEU当局者によれば、メイ首相が今の議会の行き詰まりをどのように打開するか明確な説明を行う場合に限り、EU首脳は長期の離脱延期を認める見通し。英国との離脱交渉を担当するEUのバルニエ首席交渉官は、19日にブリュッセルで開かれたEU各国政府の会合で、「新たな国民投票か選挙の予定」という形もあり得ると語った。

What’s Next for Brexit?

原題:EU Said to See Mid-April Date for U.K. to Decide Brexit Fate (1)(抜粋)

(バルニエ首席交渉官の発言などを追加して更新します.)
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