野村とソシエテも加わる-金融業界の人員削減続く
Christian Baumgaertel株式相場は今年に入って回復してきたかもしれないが、ボラティリティーに振り回された金融機関は方針を反転させることなく人員削減を進めている。景気減速に備えたり、技術の活用で人件費を減らしたり、あるいは合併によって必要な人員数を減らしたりと理由はさまざまだが、削減の流れは業界全体に及んでいる。
2008年の金融危機から投資銀行が回復するのが遅かった欧州ではまだ、トレーディング業務の大規模な調整が続いている。フランスのソシエテ・ジェネラルは9日、約1600人の削減計画を発表。ドイツではドイツ銀行がコメルツ銀行の買収を検討しており、このような業界再編の場合は後方支援業務の人員にも大きな影響が出るだろう。
米銀勢はより的を絞った調整や、新年入りを機会に成績不振従業員をカットしたりしている。
アジアでは野村ホールディングスがコスト削減計画を発表、人員削減を進めている。
1月1日以降に発表された人員削減は以下の通り。
欧州、中東、アフリカ
- ソシエテ・ジェネラル:1600人削減の計画を発表
- ドイツ銀とコメルツ銀:合併なら最大3万人の雇用喪失も
- ドイツ銀の資産運用部門DWS :マネジングディレクターを含む数十人を今月削減と関係者
- 英HSBCホールディングス:グローバル・バンキング・アンド・マーケット部門で50人以上の削減を開始へ-関係者
- サンタンデール銀行:スペイン部門が3000人削減、最大1200の支店閉鎖を計画と同国紙エクスパンシオンが報道
米州
- ゴールドマン・サックス・グループ:債券グループのトレーディング業務縮小検討ー関係者
- JPモルガン・チェース:資産運用・ウェルスマネジメント部門で数百人を削減-関係者
- ステート・ストリート:1500人を削減
- モルガン・スタンレー:債券、株式、調査部門で成績不振従業員を削減
アジア太平洋
- 野村ホールディングス:米欧で約150人削減へ-関係者
- スタンダードチャータード:21年までにコスト削減へ、合理化の一環でシンガポールで人員削減の可能性とビジネス・タイムズが報道
関連ニュース:米欧の大手銀行、危機後に80万2000人を削減-一部では人員増の動き
原題:Societe Generale, Nomura Job Cuts Add to Wave of Finance Firings(抜粋)