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ソフトバンク孫氏がウーバーに投じた8600億円、IPOで2倍強にも

  • ビジョン・ファンドはウーバー株16.3%を保有
  • ウーバーIPOでソフトバンク持ち分は最大200億ドルの価値も
ソフトバンクグループの孫正義社長

ソフトバンクグループの孫正義社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

ソフトバンクグループの孫正義社長が配車サービス事業に寄せる信頼の正しさが、近く証明されそうだ。約1年前に業界最大手の米ウーバー・テクノロジーズに投じた77億ドル(現在のレートで約8600億円)は、同社の新規株式公開(IPO)で2倍以上となる公算がある。

  ウーバーの米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ソフトバンクのビジョン・ファンドはウーバー株16.3%を保有している。5月に予定するIPOで、ウーバーは900億-1200憶ドルの企業価値を目指すと報じられ、これに基づくソフトバンクの持ち分は150億-200億ドルとなる。

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孫正義社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  孫氏は、配車アプリと自動運転車に輸送の未来があると考え大きく投資している。ウーバーのほか、中国の滴滴出行に100億ドル余り、東南アジアで最大手のグラブに30億ドル、米ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転車部門クルーズに22億5000万ドルを投じている。孫氏によれば、ビジョン・ファンドのポートフォリオ企業は世界の配車サービス市場の90%を支配している。

  サンフォードC・バーンスタインのアナリスト、クリス・レーン氏は「ソフトバンクが昨年、ウーバーを490ドル前後と評価して出資した時には否定的な声も多かった」とし、「ウーバーのIPOが成功し、1000億ドル近くで評価されれば、ソフトバンクとビジョン・ファンドの先見性の強い証明になる。また、配車サービス分野でのソフトバンクの他の投資にとってもプラスだ」と分析した。

  2018年にトヨタ自動車が投資した際、ウーバーは私募市場で760億ドルと評価されていた。IPO幹事を目指す銀行団は昨年、最大1200億ドルの評価が可能だと指摘した。バリュエーションの見通しは実際の上場までの間に変わり得るほか、上場後の株価がどうなるかは分からない。ウーバーは届け出で、昨年の30億ドルの営業損失や中核事業の成長減速を明らかにした。

  孫氏は先月の都内での会議で、1企業ではなく業界に投資しているのだとし、業界が離陸すれば自分たちの勝ちだと語っている。

原題:SoftBank’s Son Stands to Double $7.7 Billion Stake in Uber IPO(抜粋)

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