サウジアラムコ、超大型IPOの準備を再開-関係者
Dinesh Nair、Archana Narayanan、Matthew Martin-
複数の投資銀行の特別チームと最近会合、IPOでの役割協議
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細かい作業は今年後半か来年初めに加速する可能性
サウジアラビアは、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に向けた準備を再開した。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社のIPO計画は数カ月前に先送りされたばかりだった。
情報が非公開であることから匿名を条件に話した関係者によると、サウジアラムコは複数の投資銀行の特別選抜チームと最近会合を持ち、IPOを実施した場合に任せ得る役割について協議した。IPOの細かい作業は今年後半か来年初めに加速する可能性があるという。同社は世界有数の利益率を誇る。
ただ、IPO計画には依然として大きな障害が横たわる。サウジは2兆ドル(約220兆円)の企業評価を求めているが、この実現にも疑問符が付く。IPOの需要は原油相場の影響を受ける公算が大きいほか、有力な機関投資家の間では気候変動の原因となる化石燃料会社に資金を投じることへの懸念が膨らんでいる。
サウジのムハンマド皇太子は米ニューヨーク上場にも熱心だが、アドバイザーらは米国での訴訟リスクを抱え込むことになるとして慎重な見解を示している。皇太子はこれまで、2020年か21年にIPOは実現すると主張しているが、最終決定は下されておらず、スケジュールは変更される可能性もあると関係者は述べた。
サウジアラムコはコメントの要請に今のところ応じていない。同社はIPO計画について、エバコア、モーリス、HSBCホールディングス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーと準備を進めたことがあったが、今回もこれらの銀行と接触しているのか、別の銀行が検討されているのかは明らかでない。
原題:Saudi Aramco Is Said to Restart Preparations for Mega IPO(抜粋)
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