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債券は上昇、FRB議長の利下げ示唆を受けて買い安心感

更新日時

債券相場は上昇。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で7月の利下げを示唆する発言を行ったことで米国債相場が上昇し、国内債市場でも買い安心感が広がった。

  • 長期国債先物9月物の終値は前日比10銭高の153円62銭。一時153円69銭まで上昇したが、午後は上げ幅を縮小
  • 新発10年物355回債利回りは1ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.14%
  • 新発5年債、20年債、30年債、40年債の利回りはいずれも1bp低下

市場関係者の見方

野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト

  • 先週末の米雇用統計を受けて若干はく落していた利下げの織り込みが戻ったに過ぎないが、7月利下げの方向が再確認され、国内勢としては円債を安心して買える
  • スペイン債にまで触手を伸ばすなど、国内投資家はかなり買うものがない様子で、ヘッジ付き欧州債と比べても金利が高い超長期債を買う選択しかないだろう
  • 5年債は海外勢のドル建て見合いや国内勢の利下げヘッジの需要だが、日本銀行が利下げに消極的な姿勢の中、残存3年ー5年の買いオペ減額の効果も徐々に出てきている

背景

  • パウエル議長が議会証言で利下げ示唆、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でも利下げ論拠強まったと多数が判断
  • 10日の米2年国債利回りは前日比8bp低下の1.83%程度、米10年国債利回りは1bp未満低下の2.06%程度で終了。この日の時間外取引では、それぞれ1.81%程度と2.04%程度に低下
  • 東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=107円台後半まで円高・ドル安が進行

流動性供給入札

  • 対象は残存期間5年超15.5年以下
  • 応札倍率は2.77倍と、前回の同年限入札の3.06倍から低下
  • 最大利回り格差マイナス0.013%、平均利回り格差マイナス0.015%
  • 野村証の中島氏
    • 今回はあまり需要が強い銘柄もなかったが、落札利回り格差などを見ても意外と普通にこなした印象
  • 備考:過去の流動性供給入札の結果一覧

新発国債利回り(午後3時時点)

2年債5年債10年債20年債30年債40年債
-0.195%-0.225%-0.140%0.220%0.355%0.380%
前日比-0.5bp-1.0bp-1.0bp-1.0bp-1.0bp-1.0bp
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