トランプ氏、中国と話をするも通商協定に署名の用意できていない
Hailey Waller、Jordan Yadoo、Katia Dmitrieva-
ファーウェイは「国家安全保障上の脅威」-全く取引しない可能性も
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香港デモが暴力的結末になれば米中合意はより困難になるとも発言
トランプ米大統領は18日、米国は「中国と非常にうまくやっており、話をしている!」とツイートした。しかし、その後の記者団とのやり取りでは、通商協定に署名する用意はできていないと語った。
トランプ大統領は記者団に対し、さまざまな通商合意がまとまれば米国は「大きな成長に向かう」と指摘。ただ、中国経済が相対的に弱いことを考慮すれば、米国より中国の方が通商合意を必要としているとの考えを示した。1週間余りを過ごしたニュージャージー州ベッドミンスターにある自身のゴルフ場から、ワシントンへの帰路に就く際に述べた。
大統領はまた、香港のデモが暴力的な結末を迎えた場合、米議員が懸念を表明していることから、米中合意はより困難になるだろうとし、対中貿易交渉と香港の問題を初めて関連付けて語った。
このほか、米商務省が中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対する米製品の調達禁止措置の猶予期間を19日にも延長するとした週末のメディア報道に大統領は疑念を表明。「われわれはファーウェイと全く取引をしない可能性がある」とし、ファーウェイは「国家安全保障上の脅威」だと指摘した。その上で、「どうなるか見守るつもりだ。私はあした決断を下す」と語った。
ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長は大統領のツイートの数時間前、対中貿易協議を再開する日程の見通しを示していた。この週末、クドロー氏とナバロ国家通商会議(NTC)委員長が複数のメディアに相次いで出演したもので、米経済や対中貿易問題の見通しについて話した。
政権高官は経済楽観
クドロー氏はFOXニュース・サンデーとのインタビューで、米中の通商交渉担当者が最近行った電話協議は「前向き」だったと述べるとともに、合意に向け一段と前進する道が開かれた可能性があるとの見方を表明。向こう1週間から10日のうちにさらなる電話協議が予定されているとした。
その上で、「われわれの望み通り、そうした担当者の協議がうまくいき、交渉を実質的に再開できれば、われわれは交渉継続に向け中国側を米国に招いて閣僚協議を行うことを計画している」と述べた。
米経済についてクドロー氏は「リセッションは全く見込んでいない」とし、景気てこ入れのために追加措置を講じる計画はないと説明。トランプ政権は現行の政策課題を堅持すると語った。
また、NBCの番組「ミート・ザ・プレス」でクドロー氏は、「消費者は仕事に就いている。より高い賃金でだ。彼らは急速なペースで支出している。支出しながら、同時に貯蓄もしている。理想的な状況だ」との認識を示した。
一方、ナバロ氏はABCの「ディス・ウィーク」で、「力強い経済が2020年を通して、またそれ以降も続く」と予想した。CNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」に対しては、「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は鏡に映った自分の姿を見て、『私は政策金利を速く引き上げ過ぎた』と言うべきだ」とあらためてパウエル氏を批判した。
ナバロ氏は7月の0.25ポイントの利下げに続く追加引き下げが望ましいとしたほか、欧州中央銀行(ECB)が広く予想されている通り9月に緩和に踏み切れば苦境にある欧州経済を支えるとの見解を示した。
ナバロ氏はまた、「テクニカルに言えば、米国債市場で逆イールドは起きなかった」とし、「あるのはフラットなイールドカーブ(利回り曲線)だけだ」とも述べた。米中通商問題を巡っては、米国は依然として中国との間で「重大な構造問題」を抱えていると指摘した。
原題:Trump Says U.S. Is Talking With China but Not Ready for a Deal(抜粋)