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9月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ポンド上昇、ユンケル欧州委員長の発言で楽観ムード

  19日のニューヨーク外国為替市場では、ポンドが大幅に上昇した。欧州委員会のユンケル委員長が、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱を阻止するためにあらゆる手段を講じる考えを表明した。ドルはこの3日間で2回目の下げとなった。

  • ポンドはユンケル委員長の発言を受けて、対ドルで一時0.7%上昇し、7月15日以来の高値を付けた。このほか、アイルランドのバラッカー首相は来週ニューヨークでジョンソン英首相と会談し、離脱問題で合意を模索すると発言した
  • 主要10通貨では円やスイス・フランの上げも目立った。日本銀行とスイス国立銀行(中央銀行)はそれぞれ政策金利の据え置きを決めた
  • ニューヨーク時間午後4時53分現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%低下。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で今後の追加利下げの道筋が明確に示されなかったことから、前日は0.3%上昇していた
  • ポンドはドルに対して0.4%高の1ポンド=1.2527ドル
    • イングランド銀行(英中銀)は政策金利の据え置きを決定。EU離脱を巡る不確実性が続く場合、インフレは予想よりも弱くなる可能性があると指摘した
  • ドルは円に対して0.4%安の1ドル=108円05銭。一時は0.6%下げ、107円79銭を付けた
    • 日銀の黒田東彦総裁は7月の前回会合時より追加緩和に前向きな姿勢を示したものの、その際は現行政策の枠組みで対応する意向を明らかにした
  • ドルはスイス・フランに対しては0.4%安。一時は0.7%下落した
  • ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.1041ドル 

欧州時間の取引

  円やスイス・フラン、ノルウェー・クローネが主要10通貨の中で特に上昇。日銀やスイス中銀、ノルウェー中銀それぞれの金融政策発表に反応した。ノルウェー中銀は大方の市場予想に反して0.25ポイントの利上げに踏み切った。利上げはここ1年で4回目。

原題:Sterling Surges on Brexit Comments by EU’s Juncker: Inside G-10(抜粋)

Franc, Yen Lead Gains After Central Bank Decisions: Inside G-10(抜粋)

◎米国株・国債・商品:株はほぼ変わらず、午後に失速-国債堅調

  19日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。過去最高値に届くには材料不足だった。複数の中央銀行が政策会合の結果を発表し、ドルは下げ、米国債は堅調な展開となった。

  • 米国株は買い材料不足ーソフトウエアは上昇、自動車に売り
  • 米国債は小幅高、10年債利回りは1.79%
  • NY原油は変わらず、供給不安と潤沢な在庫に挟まれ
  • NY金、スポット相場は持ち直すも先物は下落

  S&P500種は午後に失速したものの、なお過去最高値まで1%以内。ソフトウエア銘柄が買われた一方、自動車株が売られた。貿易に関するクドロー国家経済会議(NEC)委員長の明るい発言を好感した後は、中国に対する大幅な追加関税に関するトランプ政権アドバイザーの発言が香港の英字紙で報じられ、上昇分をほぼ失った。

  S&P500種株価指数は前日比ほぼ変わらずの3006.79。ダウ工業株30種平均は52.29ドル(0.2%)安い27094.79ドル。ナスダック総合指数は0.1%上昇。10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 下げて1.79%。

  原油価格はほぼ変わらず。一時の上げをほぼ消した。サウジアラビアの石油施設攻撃に起因する目先の供給不安はくすぶるものの、潤沢な在庫が相場の重しとして意識された。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は2セント(0.1%未満)高い1バレル=58.13ドル。ロンドンICEの北海ブレント11月限は80セント高の64.40ドルで終了。

  ニューヨーク金スポット相場は1カ月ぶり安値から持ち直した。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの金利見通しが割れていたことより、景気減速見通しや根強い貿易戦争にあらためて注目する向きが多かった。ニューヨーク時間午後1時54分現在、スポットは0.5%高の1オンス=1501.83ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は9.60ドル(0.6%)安の1506.20ドルで終了した。

  前日のFOMCに続いて、この日は多数の中央銀行が政策決定を発表。経済協力開発機構(OECD)は貿易摩擦の激化が信頼感を下げているとして、世界の経済成長予測を下方修正した。米中の貿易交渉は次官級協議が行われており、投資家の関心は引き続き協議の行方に向けられている。

  米国債相場は前日のFOMC後に下げた分の大半を取り戻した格好。年限を問わず広く買いが入った。特に目立った買い材料はなく、スワップスプレッドの縮小が続いた。

原題:U.S. Stocks Drift; Treasuries Gain, Dollar Weakens: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Advance, Paring Post-FOMC Losses; Swap Spreads Plunge(抜粋)

Gold Rebounds as Traders Look Past Fed Split to Growth Outlook(抜粋)

Oil Rises as Saudis Scramble to Cover Post-Attack Supply Chain(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債下落、英国債変わらず-英中銀は金利据え置き

  19日の欧州債市場ではポルトガル債を中心にユーロ圏国債が下落した。英国債は変わらず。英中銀はこの日、政策金利据え置きを発表した。

  • イタリア債は中期債を中心に下落したが、スペイン、ポルトガル両国債のパフォーマンスは上回った
    • ECBは新たな条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)で、34億ユーロ(約4100億円)を域内銀行に供給した
  • ドイツ債はほぼ変わらず、米国債のパフォーマンスは下回った
  • 英国債はブルフラット化した
  • ドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇してマイナス0.50%、フランス10年債利回りは2bp上げてマイナス0.21%、イタリア10年債利回りは2bp上げて0.89%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:Portuguese Bonds Lead Euro-Area Fall; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

(外為、株・国債・商品を更新します)
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