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9月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルと逃避通貨が上昇、米中協議の進展巡り懸念広がる

  20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。中国代表団が米農場視察計画を取りやめたことから、米中貿易協議の進展を巡る懸念が強まった。円とスイス・フランも高い。

  • ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高。週間ベースでは0.3%上昇。この日は円とフランの上げが目立ったものの、ドルも主要10通貨に対して幅広く上昇
  • 備考:中国代表団、米農場視察を取りやめ-「友好」行為が突然の帰国前倒し
    • トランプ大統領はこれより先、中国は貿易合意を望んでおり、同国は「悪い一年」を過ごしていると発言。同氏はさらに、部分合意は求めていないとし、貿易戦争が2020年大統領選挙での得票に響くことはないとの見方を示した
    • 米中は10月の閣僚級協議を前に、次官級貿易協議の2日目をワシントンで開催した
  • ダラス連銀のカプラン総裁は、貿易摩擦が製造業の落ち込みにつながっていると指摘。セントルイス連銀のブラード総裁は米金利が他国・地域と一致していないことを一因に、今週の会合で0.5ポイントの利下げを求めたと述べた
  • ボストン連銀のローゼングレン総裁は、労働市場が既に引き締まった状態にある経済に、追加の金融緩和は必要ないと発言。クラリダ連邦準備制度理事会(FRB)副議長は世界の経済成長は悪化していると話した
    • 市場では現在、今後12カ月の0.54ポイント利下げが織り込まれている
  • ドイツは財政均衡を堅持するとするメルケル独首相の発言を受けて、ユーロは日中安値を付けた
  • ニューヨーク時間午後4時28分現在、ドルは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.1020ドル。対円では0.4%安の1ドル=107円55銭

欧州時間の取引

  ドルは週間での上げ幅を縮小。アイルランドのコーブニー副首相兼外相が英国の欧州連合(EU)離脱合意は「近くない」と述べ、突破口が開けるとの期待が後退したことから、ポンド上昇の勢いは失速した。
原題:Dollar, Havens Rise Amid Concerns About China Talks: Inside G-10(抜粋)
Pound Rally Eases on Brexit Sentiment, Dollar Slips: Inside G-10

◎米国株・国債・商品:株が下落、国債上昇-米中貿易への懸念再燃

  20日の米株式相場は下落。米中の貿易を巡る緊張の高まりが売り材料となり、S&P500種株価指数は週間ベースで1カ月ぶりの下げとなった。米国債は上昇し、10年債が5日続伸となった。

  • 米国株は下落、ハイテクや消費者関連銘柄の下げ目立つ
  • 米国債は上昇-10年債利回り1.72%に低下
  • NY原油は小反落、サウジ供給履行への期待で上げ幅縮小
  • NY金は上昇、中国代表団の米農家視察中止がスポット相場押し上げ

  S&P500種は4営業日ぶりのマイナスで1週間を終えた。中国代表団が米中部の農場を視察する計画を一転して取りやめたことを受け、売りが膨らんだ。中でも、中国製品への関税動向に敏感なテクノロジーおよび消費者関連の銘柄の下げが目立った。

  S&P500種株価指数は前日比0.5%安の2992.07。ダウ工業株30種平均は159.72ドル(0.6%)安の26935.07ドル。ナスダック総合指数は0.8%低下。ニューヨーク時間午後4時6分現在、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.72%。この日の米株式相場の変動の大きさには、四半期ごとに株価指数と個別株の先物とオプション取引が期限を迎える「クアドルプル・ウィッチング」が影響した可能性がある。

  米国を含む主要中央銀行の政策発表をこなした今、トレーダーの注目は再び米中の交渉に移っている。アドバイザーズ・アセット・マネジメントの最高投資ストラテジスト、マット・ロイド氏は、両国の「堂々巡りはこれからも続く。何か決着が付くのは2020年までないだろう」と語った。

  米国債は週初から堅調が続き、10年債利回りは週間ベースで17bp低下した。

  NY原油は小反落。主要石油施設が攻撃されたサウジアラビアだが、供給契約は履行されると市場が確信を強め、遅い時間に上げの大半を失った。ただ、攻撃されたことに続く混乱から、週間ベースでは6月以来の大幅高となった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミデエート(WTI)先物10月限は4セント(0.1%)安の1バレル=58.09ドルで終了。10月限はこの日が取引最終日だった。ロンドンICEの北海ブレント11月限は12セント安の64.28ドル。

  ニューヨーク金先物相場は反発。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.6%高の1オンス=1515.10ドル。金スポット価格は中国の代表団が米農家の視察を中止したことを受け、一時0.9%高となった。
原題:Tech Leads U.S. Stock Drop as Trade Tensions Grow: Markets Wrap(抜粋)
Oil Posts Biggest Weekly Gain in Eight Months After Saudi Attack
Oil Erases Day’s Gains As Markets More Confident of Saudi Supply
Gold Extends Gains After China Cancels Montana Farm Visit

◎欧州債:イタリア債が下落、ドイツ債は30年債利回りマイナス

  20日の欧州債市場では来週の入札を控えてイタリア債が下落した。ドイツ債はブルフラット化。メルケル独首相は巨額の気候変動対策を発表したが、財政均衡は維持すると表明した。

  • イタリア債は長期債が特に下げた
  • ドイツ債は30年債利回りが9月12日以降初めてマイナス圏をつけた
  • 英国債は上昇。英国のEU離脱を巡る楽観が後退した
  • ドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下してマイナス0.52%、フランス10年債利回りは1bp下げてマイナス0.22%、イタリア10年債利回りは3bp上げて0.92%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:
Italian Bonds Fall, Bunds Advance; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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