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イラン大統領、米国との協議に2つの条件-直接交渉の可能性後退か

  • 米国の核合意への復帰とイランへの「違法な」制裁停止を要求
  • サウジへの攻撃はイランの「脅迫的な行動」の証拠とトランプ氏演説

イランのロウハニ大統領は24日、2つの条件の下で米国との協議はなおあり得るとの認識を示した。ただ、主要な欧州の首脳が帰国の準備をする中で、今週の国連での直接交渉の可能性は低下しつつあるようだ。

  ロウハニ大統領はニューヨークでの国連総会の合間に記者団に対し、米国はトランプ大統領が昨年離脱した2015年の「イラン核合意」に復帰しなければならないと指摘。さらに、米国は合意離脱後に強化してきたイランへの「違法な」制裁をやめる必要があると主張した。

  ただ、マクロン仏大統領やジョンソン英首相が帰国を予定しているこの日以降、米国と、核合意を維持している欧州各国が一堂に会して協議を行うのはさらに難しくなる。

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マクロン仏大統領とロウハニ大統領が23日、国連本部での会議後に会談

 

  マクロン仏大統領と安倍晋三首相はペルシャ湾岸地域の緊張緩和を目指し、米国とイランの橋渡しを試みてきている。ただ、フランスは23日遅く、英国とドイツとの共同声明で、サウジアラビア石油施設への最近の攻撃についてイランに責任があると主張し、15年の合意を超える新たな枠組みの交渉に応じるよう同国に求めた。

  メルケル独首相は24日、ロウハニ大統領との会談後、協議を始める前に全ての制裁解除を要求するのは「現実的な進め方」ではないと述べた。

  トランプ米大統領は同日の国連総会での演説で、サウジへの攻撃はイランの「脅迫的な行動」の証拠だとして、同国政府に「自らが作り出した問題のために他の全ての人々を」攻撃するのをやめるよう訴えた。

  イラン当局者は、自国が核開発抑制によって確実に経済的利益を得られることを含め、米欧各国が15年の合意を順守するまで新たな協議は検討しないと繰り返し表明してきている。同国はサウジの石油施設攻撃への関与も否定している。

原題:Rouhani Lays Out Conditions as U.S. Talks Seen Slipping Away (2)(抜粋)

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