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Photographer: Chris J Ratcliffe/Bloomberg
Cojp

世界経済見通し悪化に世銀も警鐘、英EU離脱や貿易巡る不確実性で

  • マルパス世銀総裁、IMF・世銀合同年次総会に先立ち発言
  • 世銀が6月に予測した2.6%よりも今は弱まっている様子だ

世界銀行のマルパス総裁は7日、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不確実性や貿易摩擦、欧州の低迷の中で世界経済見通しが悪化しているとの認識を示した。

  マルパス総裁は国際通貨基金(IMF)・世銀合同年次総会に先立ちモントリオールで講演し、「世界的な成長は減速している」と指摘。2019年の世界経済成長率は世銀が6月に予測した2.6%よりも今は弱まっている様子だとし、「英国のEU離脱や欧州のリセッション(景気後退)、貿易の不確実性が打撃を与えている」と付け加えた。

  同総裁が世界経済成長にあらためて警鐘を鳴らす中、投資家は今月ヤマ場を迎える可能性のある幾つかの主要問題に注目している。

  10月15日に予定される米国の対中関税引き上げを前に米中閣僚級貿易交渉が今週再開される。ジョンソン英首相はEU離脱を必要なら合意なしで今月31日を期限通りに断行する考えを表明した。製造業の低迷が内需に影響し、欧州の経済指標は赤信号が点灯している。

  マルパス総裁は利回りがゼロまたはマイナスの債券が約15兆ドル(約1600兆円)に上ることをあらためて批判。「資本は凍結状態」だと表現し、成長に資源が回らず、債券保有者と債券の発行体が恩恵を受けていると述べた。

原題:
World Bank Joins Warning About Dimming Global Growth Prospects(抜粋)

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