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10月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル堅調、米中の貿易交渉を控え-円やフランにも買い  

  8日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演後、ドルが堅調を維持。議長は、最近見られた短期市場での混乱が再発しないよう、当局は米財務省証券の購入を再開すると表明した。一方で、米中の貿易交渉再開を控えては依然不透明感が強い。

  • 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、ニューヨーク時間午後4時50分の時点で0.1%上昇。一時は0.2%上昇していた。主要通貨の中ではニュージーランド・ドルが最も買われた。逃避先通貨も堅調。
    • パウエル議長は米財務省証券の購入は金融危機時に実施した量的緩和プログラムの復活と捉えるべきではないと強調
    • 成長減速は明らかだが、景気拡大が停止すると考える根拠はない-パウエル議長
    • シカゴ連銀のエバンス総裁発言もドルを支援。エバンス総裁は「さらなる保険として、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 引き下げる根拠は十分にありそうだ」と発言
  • 米中は10、11日に閣僚級の貿易交渉を再開
  • 円とスイス・フランは取引中の大半をプラス圏で過ごした。トランプ政権は米国から中国への資本流入を制限することについて協議していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。米商務省は前日、複数の中国企業をブラックリストに掲載
  • ポンドは軟調。来週のEUサミットを控えEU離脱をめぐる問題がエスカレートした。ジョンソン英首相はドイツのメルケル首相に対し、離脱を巡る合意は「本質的に不可能だ」と伝えた
  • ドルは対円で0.2%安い1ドル=107円06銭。一時は0.4%下げて106円81銭
  • ポンドは対ドルで0.6%下げて1ポンド=1.2214ドル。3日連続安。EU離脱合意のめどがたたない中、9月4日以来の安値となる1.2195ドルまで下落
  • ユーロは対ドルで0.2%安い1ユーロ=1.0955ドル。一時は0.3%下げて10月3日以来の安値となる1.0941ドルを付けた

欧州時間の動き

  円はそれまでの下げから反転、上昇した。人権侵害を理由に米国が中国企業をブラックリストに掲載したことに抗議し、中国が報復に出る可能性を示唆。ドルは主要10通貨の大半に対して下げていたが、中国の外務省報道官の発言を受けて一時的に下げ幅を縮小した。

原題:Dollar Gains Ahead of U.S.-China Trade Negotiations: Inside G-10(抜粋)

Yen Gains as China Warns of Blacklist Retaliation: Inside G-10(抜粋)

◎米国株・国債・商品:株が続落、米中の貿易交渉控え対立激化を懸念

  8日の米株式相場は続落。米中貿易協議の閣僚級会合を週内に控え、中国との緊張がエスカレートしているとの懸念が広がった。

  • 米国株は続落、半導体銘柄中心に下げ
  • 米国債は上昇、10年債利回り1.53%
  • NY原油先物は小幅続落、米中対立が深まる
  • NY金は上昇、米インフレ低調で利下げ観測

  S&P500種株価指数は半導体銘柄を中心に下落。ニューヨーク市場で取引される中国企業は、8月半ば以来の安値となった。新疆ウイグル自治区のイスラム系住民の大量拘束に関与した中国当局者を対象に、トランプ政権は入国制限を発表。一方、米国が中国ハイテク企業を禁輸措置の対象にしたことに中国は強く反発。ブルームバーグ・ニュースはホワイトハウスが中国への資本流入を制限することについて協議していると報じた。

  S&P500種は前日比1.6%下げて2893.06。ダウ工業株30種平均は313.98ドル(1.2%)安い26164.04ドル。ナスダック総合指数は1.7%下落。米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.53%。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、短期金融市場の沈静化を模索するとしたほか、金利に関しては選択肢を残していると発言した。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は今月末に開催される。

  米中貿易協議の閣僚級会合が10日に再開されるのを控え、両国の緊張は高まっている。米中の貿易摩擦は過去1年余りにわたって、市場を動揺させてきた。中国人民銀行(中央銀行)の易網総裁が劉鶴副首相率いる代表団に加わり、ワシントンでの協議に参加する。共産党機関紙・人民日報系の新聞、環球時報は今回の中国代表団の「最大級の規模と幅広さ」を指摘した。

  TDアメリトレードのチーフマーケットストラテジスト、ジョー・キナハン氏は、「依然として中国が重しになっている。それが最も重要な材料になる」と指摘。「今週協議が開催されるものの、両国が11日午後の会合終了後に『やり遂げた!終了だ!』と発表するとは考えづらい」と述べた。

  ニューヨーク原油先物相場は小幅続落。2カ月ぶり安値付近で引けた。長びく米中の貿易摩擦が解決に向かうとの観測が後退した。米当局者らは中国への資本流入を制限することについて協議している。また、米政権が中国のハイテク大手を禁輸措置の対象にしたことを受け、中国は報復措置に出る可能性を示唆した。パウエルFRB議長が短期市場での混乱が再発しないよう、米財務省証券の購入を再開すると表明すると、原油は取引終盤に下げ幅を縮小した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は前日比12セント(0.2%)安の1バレル=52.63ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は11セント下げて58.24ドル。

  ニューヨーク金相場は上昇。米生産者物価指数(PPI)のコア指数が4年余りで最大の低下となったことから、インフレ押し上げへ利下げが継続されるとの観測が強まった。中国ハイテク企業を禁輸措置の対象にするという米政権の決定に、中国が強い反対を表明したことも、金への逃避需要につながった。ニューヨーク時間午後2時13分現在、金スポット相場は0.4%高の1オンス=1499.78ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限はほぼ変わらずの1503.90ドルで終了した。

原題:Stocks Finish at Lows as Trade Tensions Escalate: Markets Wrap(抜粋)

Oil Falls Toward Two-Month Low as U.S.-China Trade Spat Deepens

PRECIOUS: Gold Gains As Subdued Inflation Fuels Rate Cut Bets

◎欧州債:ドイツ債上昇、安全逃避需要-ギリシャ債は下落

  8日の欧州債市場でドイツ債が上昇。貿易摩擦を背景に安全逃避買いが進んだ。ギリシャ債は下落した。

  • ドイツ債は上昇。トランプ政権は米国から中国への資本流入を制限することについて協議していると、ブルームバーグ・ニュースが報じたことが手掛かりになった
  • イタリア債はほぼ変わらず。同国は9日、シンジケート団を通じて5年、10年、30年債を売り出す
    • ギリシャ債は下落。同国は10年債(15億ユーロ相当)を発行する
  • 英国債はブルスティープ化。ジョンソン英首相がメルケル独首相に北アイルランドがEUの関税同盟内にとどまることをEUが求めるならば離脱を巡る合意は「本質的に不可能だ」と伝えた
  • ドイツ10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下してマイナス0.60%、フランス10年債利回りは3bp下げてマイナス0.26%。イタリア10年債利回りは1bp下げて0.84%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:Bunds Rise on Haven Buying, Greek Bonds Fall: End-of-Day Curves(抜粋)

(NY外為と米国株・国債・商品を更新します)
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