FOMC、緩和終了時期について議論を開始-9月会合議事要旨
Christopher Condon米連邦準備制度理事会(FRB)が9日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)会合(9月17-18日)の議事要旨によれば、当局者は米経済へのリスク拡大に対応するための政策金利引き下げで合意した一方、現在の利下げ局面をどこまで続けるかについて議論を始めていた。
議事要旨は「経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まり、貿易政策に関する不透明感や海外情勢に起因するものが顕著だというのが、参加者の全般的な判断だ」と記述している。
10月以降の会合については、パウエルFRB議長が7月に「サイクル半ばでの調整」と表現した緩和政策の限度を示唆する文言を、FOMC声明に盛り込むよう幾人かの当局者が主張したことが明らかになった。
さらに「貿易問題がもたらす不確実性に対応した政策金利水準の再調整は、いつ終了する可能性が高いのか、FOMC会合後の声明でもっと明確に示すべきだと幾人かの当局者は提案した」という。
議事要旨はまた、市場の追加緩和期待と当局者の政策見通しに隔たりがあることに、「数人の参加者」が違和感を覚えつつあることを示した。
FOMCは9月会合で今年2度目の0.25ポイントの利下げを決定。経済見通しに脅威を与えているリスクに対する保険だと、パウエル議長は説明した。
金利の行方
9月会合後に公表した当局者の金利予測はばらばらだった。5人が利下げは間違いだと考えた一方、利下げには賛成するが年内はそれで十分だと考える参加者が5人いた。さらに、12月の追加利下げを支持する参加者は7人いた。
世界経済の減速やトランプ大統領が仕掛けた貿易対立が伴う不確実性についても、あらためて懸念が示された。
参加者はそのようなリスクだけでなく、地政学的な脅威に対しても懸念が強まっていると指摘した上で、そうした不確実性は引き続き企業の投資支出に影響するとの見解を示した。
幾人かの参加者は「事業見通しや継続的に弱い投資を巡る不透明感がいずれ雇用の減速につながり、その結果、所得や消費の伸びを抑制する可能性がある」と言及したという。
個人消費が強いペースで伸びており、家計支出は堅調を維持する可能性が高いとの見方で一致した一方、幾人かは住宅ローン金利の低下に伴い住宅セクターは回復し始めると指摘した。
その半面、統計モデルが示す中期的なリセッションの確率は、ここ数カ月で顕著に上昇したとの指摘も複数あった。
短期金融市場
翌日物短期金融市場で最近生じた混乱についても、FOMCは協議した。同市場では貸し手不足から短期金利が急上昇し、フェデラルファンド(FF)金利が当局の目標レンジを上抜く場面もあった。
金利を低下させるため、ニューヨーク連銀は10年ぶりに緊急の流動性供給を実施せざるを得なくなった。FOMCはもっと恒久的な資金供給プログラムについて協議した。
「金融政策を実行するフレームワークの一環として、買いオペの常設ファシリティーを導入する利点を検討することも、そのような議論には有益だと幾人かの参加者が提案した」という。
原題:
Fed Minutes Show Debate Emerges on When to Halt Policy Easing(抜粋)