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米中貿易協議が部分合意、15日関税上乗せ先送り-来月署名目指す

更新日時
  • 中国は合意の一環として、米国産農産品の購入を大きく増やす
  • 中国は知的財産権巡る措置、金融サービスと為替での譲歩に同意
トランプ大統領

トランプ大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米中両国は11日にワシントンで開いた通商問題に関する閣僚級協議で、貿易戦争の休戦につながる「第1段階」といえる部分的な枠組みで合意に達した。トランプ米大統領は、合意文書の作成には3週間から5週間を要する見通しだが、中国の習近平国家主席と来月にも署名できる可能性があると述べた。

  中国は合意の一環として、米国産農産品の購入を大きく増やし、知的財産権を巡る一定の措置、金融サービスと為替に関する譲歩に同意するとトランプ大統領が11日にホワイトハウスで明らかにした。これと引き換えに米政府は、部分合意の確定に伴い、15日に予定していた追加関税の引き上げを先送りする。だが、中国から輸入する製品のほぼ全てに対象を拡大する制裁関税「第4弾」の発動中止は決めていない。

  ムニューシン米財務長官は、合意条件に基づく中国の米国産農産品への支出は今後2年で現在の倍以上の年間400億-500億ドル(約4兆3300億-5兆4100億円)になる見込みだと説明。政府統計によると、2017年の米農産品の対中輸出総額は195億ドルだった。財務長官はまた、第1段階の合意には金融サービス企業への市場開放が含まれると語った。

  今回の部分合意は一部の短期的な問題を解決する可能性があるが、最も厄介な紛争は未解決のまま残る。知的財産権の侵害や技術移転の強制、中国の産業助成を巡る不満が、米政府が貿易戦争で解決を目指す問題の中心にあるからだ。

  中国の習国家主席は、ホワイトハウスが11日に公開したトランプ大統領宛ての書簡で、「農産品に関するあなたの懸念を私は重視している」とした上で、中国企業が米国の農産品の購入ペースを最近加速させたと指摘。「われわれが相互の懸念に適切に対処するることが重要だ。あなたと私が合意した方向性と原則に双方が従って行動し、協調と協力、安定に基づき、米中関係を前進させるために努力することを期待する」と述べた。

  一方、中国国営の新華社は12日、中国と米国の双方がフォローアップの取り決めについて話し合い、最終的な通商合意の成立に向け努力することで一致したと報道し、交渉チームが農業や知的財産権保護、為替レート、金融サービス、通商面での協力拡大、技術移転、紛争処理を含む分野で実質的な進展を達成したと伝えた。

米中の部分合意を発表するトランプ米大統領

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China, U.S. Agree to Make Effort Towards Trade Agreement: Xinhua(抜粋)

(中国の米国産農産品への支出額の見通しなどを追加して更新します.)
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