香港は「事実上の夜間外出禁止令」-地下鉄の運行短縮でデモ阻止か
Iain Marlow、Kiuyan Wong、Jinshan Hong-
覆面禁止法制定が発表された4日、地下鉄駅で大規模な破壊行為
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運営会社は修復が必要と説明も抗議活動参加者はデモ阻止狙いと非難
香港地下鉄の運行が早めに終わる状況が1週間以上に及んでいる。地元住民にとって地下鉄は主要な交通手段であり、いつまで続くのかと戸惑う声も多い。
林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が1967年以来となる「緊急状況規則条例」の発動で覆面禁止法を制定すると表明した4日に起きた地下鉄での破壊行為で、多くの駅が被害を受けた。これを踏まえ、地下鉄を運行する香港鉄路(MTR)は2007年以来の全線終日運休に踏み切った。その後は徐々に再開する駅が増えている。
MTRは駅構内の修復にはさらに時間を要すると説明しているが、地下鉄の運行時間短縮が続く中、抗議活動参加者は新たなデモ発生阻止で香港当局を支援しているとMTRを非難。MTRは最近、早めに閉鎖する理由として「関連する他の政府部門との共同リスク評価」を挙げた。
医療の専門職に従事しているというウォンと名乗る住民は香港が「事実上の夜間外出禁止令の状況にある」と主張。地下鉄が早めに閉鎖された際には九竜から中国本土に近い天水囲への通勤に3時間半かかったと明かす。
中国の香港統治に対する抗議活動が6月上旬に始まっても、週末に若干の不便が生じる以外は多くの市民がほぼ支障なく日常生活を送ることができた。しかし、市民の足である地下鉄網の乱れでその状況は変わり始めている。
約750万人の人口を抱える香港では1日当たり590万人前後が地下鉄を利用する。多くの駅で業務が再開されたが、エスカレーターや自動改札機、防犯カメラ、券売機で大きな爪痕が残っている。
香港運輸住宅局は電子メールで質問に回答し、MTRの対応は「夜間外出禁止令の発令に相当、あるいは比較可能だということは全くない」と反論した。
原題:Hong Kong Under ‘De Facto Curfew’ as Subway Stations Shut Early(抜粋)