英首相が総選挙提案、合意なき離脱排除を野党要求-先行き不透明
Stuart Biggs-
12月12日の総選挙を求める動議を下院で28日に採決に付すと首相
-
動議の可決には下院の3分の2以上の賛成が必要
ジョンソン英首相が24日、総選挙の12月12日実施を提案した。最大野党・労働党のコービン党首は提案を支持する条件として合意なき離脱のリスク排除を要求しており、先行きは見通せない。
ジョンソン首相は、総選挙の前倒し実施を求める動議が下院で28日に採決されることになるだろうと発表した。総選挙を行うには下院の3分の2以上の賛成が必要になる。
労働党のコービン党首は24日遅く、欧州連合(EU)が離脱期限の延期を認めるかどうか見てから判断したいとした上で、「合意なき離脱の可能性が排除されるなら、われわれは総選挙を全面的に支持する」と語った。
動議が可決されれば、議会が解散される11月6日までの間、ジョンソン首相がEUと取り決めた離脱合意案を議会で速やかに成立させるチャンスも出てくる。その場合、英国は投票日を待たずにEUから離脱することになる。
複数のEU当局者は、来年1月31日までの離脱延期をEUが認める可能性がなお最も高いが、EU当局と英国を除く加盟27カ国との間で協議が続いており、ジョンソン首相が総選挙の前倒しを提案し、労働党が拒否する可能性があることが事態を複雑にしていると述べた。
EU当局者によれば、ジョンソン首相が望むように離脱案が11月6日までに議会を通過し、11月15日か30日の離脱をEUが見込める状況になるかどうかが一つの判断となり得る。
ジョンソン首相は、労働党のコービン党首に宛てた書簡で総選挙への支持を求め、「この悪夢を終わらせ、理にかなった形で可及的速やかに解決策を提供することがわれわれの責務だ。何度も繰り返される離脱延期は、景気はもとより、企業や将来の計画を立てようとする大勢の国民にとって良くない」と訴えた。
原題:Boris Johnson’s Election Bid In Doubt Amid No-Deal Brexit Threat(抜粋)