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安倍首相が経済対策策定と補正予算編成を指示-菅官房長官

更新日時
  • 復旧復興加速、下振れリスク対応、東京五輪後の経済力維持が柱
  • 災害対策パッケージとして予備費1316億円の使用を閣議決定
安倍晋三首相

安倍晋三首相

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

安倍晋三首相は8日の閣議で、台風19号など相次ぐ自然災害からの復旧・復興や海外経済のリスクなどを踏まえた内需の下支えに向けて、経済対策の策定と2019年度補正予算の編成を指示した。菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。

Abenomics Shows ECB Why Fiscal Backup Can’t Ensure Inflation

安倍首相

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  菅官房長官によると、安倍首相は経済対策について、復旧復興の加速と国土強靱(きょうじん)化の推進、経済下振れリスクに対応した中小企業などへの支援、東京五輪後の経済力の維持・向上を三つの柱とし、中長期に成長していく基盤を重点的に構築し、引き続き国内消費をしっかり下支えする考えを示した。予備費を含めた今年度予算、同補正予算に来年度予算を組み合わせた15カ月予算の考え方で策定する方針だ。

  また、菅長官は、台風19号などの被災者の生活支援などに向けた対策パッケージに関連し、予備費1316億円の支出を同日の閣議で決定したことも明らかにした。

対策パッケージ総額1316億円
生活再建(廃棄物や土砂の撤去、住宅再建)336億円
生業支援(中小企業の復旧支援、農林漁業者支援、観光需要喚起)684億円
災害復旧の迅速化・二次災害防止 63億円
避難所や仮設住宅、自衛隊災害派遣233億円

  自民党は、18年末に策定した3カ年の国土強靭(きょうじん)化対策7兆円の規模拡大や長期化を要望している。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、経済対策の財政支出規模が4兆-5兆円になると予想し、国内総生産(GDP)を0.4%程度押し上げるとみている。

  麻生太郎財務相は同日の記者会見で、経済対策について「少子高齢化を乗り越え、企業の生産性向上、力強い経済成長を実現するのが基本」と説明。具体的な内容は今後検討するとし、「規模感はない」と述べた。西村康稔経済再生相は、各省庁の提案の中で、「効果的な施策を吟味した結果としておのずと規模感は決まってくる」との見方を示した。

被災者支援の対策パッケージに関する記事はこちらをご覧ください

(最終段落に麻生財務相、西村再生相の発言を追加して更新しました)
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