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スペイン総選挙、与党過半数に届かず-極右が第3党に躍進へ

更新日時
  • 社会労働党は改選前より少ない120議席と過半数に届かない見込み
  • 新興極右政党のボックスは改選前の倍余りの52議席に躍進する勢いだ

10日投開票が行われたスペイン総選挙(下院定数350)は、サンチェス首相率いる中道左派の与党・社会労働党が第1党の座を維持する見通しとなった。有権者の支持が分散したことで、政権発足は前にも増して困難を伴いそうだ。

  開票率96%の集計結果によれば、社会労働党は4月の前回総選挙から3議席少ない120議席にとどまり、過半数に届かない見込み。

  主要野党で中道右派の国民党が88に議席を増やす一方、新興極右政党のボックス(VOX)は改選前の2倍余りの52議席に躍進する勢いだ。

  急進左派政党ポデモスは35に議席を減らす見通し。同党のイグレシアス党首は、サンチェス首相と連立協議を行う用意があると語った。首相は4月の総選挙後にポデモスとの連立を探ったが決裂した経緯がある。

  

Spain's Sanchez Running Out Of Options Amid Reports Of Snap Vote

サンチェス首相

写真家:エンジェル・ナバレテ/ブルームバーグ

  イグレシアス氏は10日夜、ポデモスとしては首相を支持する用意があるとしながらも、やり直し総選挙の判断は誤りであり、極右政党ボックスの台頭を招く結果になったと主張した。

  スペイン北東部カタルーニャ自治州で続く激しい抗議行動や、かつての独裁者フランコ総統の遺体を改葬する首相の決定への反発が、ボックスへの追い風となった。

  ポデモスの支持を取り付けても、社会労働党は過半数になお届かず、カタルーニャ独立派の政党の協力が必要になると予想される。

  主要野党の国民党が信任投票で棄権し、国益のためにサンチェス氏による政権発足を容認する可能性もあり得るが、同党にとってこれは厳しい注文になる。

原題:Spain’s Socialists Fall Short in an Election Gamble Gone Wrong

Spain’s Socialists Win 120 Seats With 96% of Votes Counted (1)

*PODEMOS READY TO NEGOTIATE A COALITION WITH SANCHEZ: IGLESIAS(抜粋)

(政権発足の見通しなどについて追加して更新します)
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