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ボーイング、737MAXの操縦士向け模擬訓練を推奨-方針転換

  • 市民や顧客、737MAXの利害関係者の信頼回復目指す
  • ボーイングは方針転換をFAAに通知、運航再開はさらに遅れる恐れ

米航空機メーカー、ボーイングは「737MAX」を運航する操縦士に模擬訓練を受けさせるよう航空会社に推奨する。ボーイングは従来、737の旧機種を操縦したパイロットに対してコンピューターによる訓練のみ必要との立場を示していたが方針を転換。2回の墜落事故で運航停止となったMAXの安全性について信頼回復を図る意向だ。

  ボーイングは米連邦航空局(FAA)に方針転換を通知。FAAが最終決定を下す。事情に詳しい関係者によると、ボーイングはMAX専用機器の不足を踏まえ、737の旧モデルのシミュレーターを修正することを検討しているという。

Boeing Corp. 737 Aircraft Production Plant Amid Global Uproar

ボーイングの製造施設に置かれた737MAX8(ワシントン州レントン)

写真家:デビッド・ライダー・システム /ブルームバーグ

  コンピューターによる訓練だけを義務づけるとした従来の方針は、パイロットは高額なシミュレーターセッションを受ける必要がないため、MAXの重要なセールスポイントだった。

  新たな模擬訓練の義務づけは、各国当局の再承認の時期に影響しない見通しだが、航空会社はパイロットの訓練に時間を割かなければならず、運航再開がさらに遅れかねないと関係者は話した。

  ボーイングのグレッグ・スミス暫定最高経営責任者(CEO)は発表文で「安全はボーイングの最優先事項だ」とし、「市民や顧客、737MAXの利害関係者は当社にとって極めて重要だ。それに主眼を置き、ボーイングはMAXの安全な運航再開に先立ち、全てのパイロットにコンピューターによる訓練に加えてシミュレーター訓練を推奨することを決めた」と説明した。

  パイロットの準備に関する最終決定はFAAと各国の規制当局が下す。FAAはボーイングの今回の推奨について電子メールで確認した。

原題:Boeing Backs Simulator Training for 737 Max Pilots in Reversal(抜粋)

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