日本株は小幅続伸、円安進み自動車など恩恵業種高い-内需は安い
長谷川敏郎-
ドル・円相場は前日に昨年5月以来の円安値を付ける
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小売や陸運は下落、国内では新型ウイルス感染の影響広がる
20日の東京株式相場は小幅続伸。為替市場でドル・円相場が9カ月ぶりの円安水準となり業績期待が広がった。自動車や電機など輸出関連、海運といった円安メリット業種が上昇。小売や陸運など内需関連は安い。
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〈きょうのポイント〉
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水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「円安は輸出企業の業績に間違いなくプラス。低迷していた輸出関連株を見直すきっかけとなる可能性もある」と述べた。
19日のドル・円相場が一時1ドル=111円50銭台と9カ月ぶりの円安水準となったことや米国株高が追い風となり、日経平均は午前に一時405円高まで上昇した。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストによると、1円円安に振れると主要企業の年間経常利益を0.4%ポイント押し上げる計算。円安によって「来期の増益復帰確度が高まる」と言う。
インバウンド関連株が重しとなり、午前半ば以降は株価指数の上げ幅が縮小、新型肺炎への懸念は根強い。水戸証の酒井氏は「海外では新型肺炎に対する日本の対応に問題があるとの認識が広がりつつあり、グローバル投資家は新たな日本株投資に説明がつかなくなる恐れがある」と指摘。円安は新型肺炎の深刻化による日本売りも一因との懸念があるとし、急速な上げ縮小は「円安=株高というこれまでのセオリーからは予想外の動き」と指摘した。
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