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大和証Gが3年間で最大150億円の追加コスト削減を実施へ、新中計で

  • 今中計と次期中計の6年間で約300億円コスト削減見込む-中田社長
  • 新型コロナ禍後の勤務の在り方、「リアルがメインフレーム」

大和証券グループ本社は、来年4月から始まる3年間の新中期経営計画に、最大150億円程度のコスト削減を盛り込む方針だ。2020年度が最終年度の現中計で掲げた150億円のコスト削減も達成見込みで、一段の効率化による体質強化を目指す。

  中田誠司社長はブルームバーグとのビデオ通話インタビューで「今中計と次期中計の6年間でコスト削減は大体300億円とみている」と述べた上で、今中計でのコスト削減は目標を超えて着手済みであり、今後、業容拡大と削減効果の兼ね合いを見ながら細かい数字を詰めていくとした。新中計は来年春にも公表する予定。

Daiwa Securities Group Inc. President Seiji Nakata Interview

中田社長(2019年5月)

Photographer: Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

  具体的には、新たな計画でも引き続き最大の削減対象であるリテール部門では、支店の統廃合で返上する不動産費用や、全営業員へのタブレット端末配布などで上振れたIT経費などが中心となる見通し。支店統廃合は、営業支援や事務などを担当するミドルオフィス、バックオフィスの効率化のための店舗改革の一環で、代わりに軽量の営業所を新設している。

  改革により、店舗は現時点で114支店、63営業所となっており、中田氏は最終的に支店はあと4-6店程度を統合し、営業所は約10カ所増やすとし「全体で約180拠点がとりあえずの完成形だと思う」と述べた。各都道府県に1カ所の支店に関しては残す方針だとした。

  新型コロナウイルス感染拡大と収束後の在宅勤務の在り方について、中田氏は「現状は緊急避難的な措置であり、在宅ありきでやるべきではない」と述べ、在宅勤務を奨励する数値目標を取り入れる考えはないと強調。「付加価値が高いやり方を選択すべきで、リアル(対面)がメインフレームだと私は思っている」とした。

  対照的に、野村ホールディングスは、最低出社を月間4割とする国内共通ルールの導入など在宅勤務制度を拡充する方向で最終調整している。

  また、中田社長は、大和が7月に開業した傘下のスマートフォン特化型の証券会社「CONNECT(コネクト)」について、まだ全てのサービスが出そろっていない段階だとしながら「キャンペーンを実施すると口座が増える。月間1万件を超える増加ペースの月もある」と明かした。顧客属性は20-40代の若い世代が中心で、一口座当たりの平均残高は約15万円だという。

  設立を申請している中国での合弁証券会社については「当局の認可を待って来年の早い時期に会社がスタートできればいいなと思っている」との見通しを示した。最高経営責任者(CEO)に就任予定のモルガン・スタンレー出身のジェームズ・ガン氏をはじめ、当初人員として約90人の採用が完了しているとした。

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