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アジアの製油所が苦境、イランとコロナ感染再拡大のダブルパンチも

  • 石油精製マージン縮小、核合意再建ならイラン石油製品の輸出急増か
  • 燃料需要は年後半には増加する可能性-ワクチン接種の進展に伴い

アジアの製油所は利益低迷への対応を進めている。弱い利益は短期的にとどまると予想されるが、域内での新型コロナウイルス感染再拡大で需要が低迷している上に、イランから石油製品の輸出急増が見込まれるためだ。

  インドなど、中国以外の国・地域での新型コロナ感染再拡大でガソリンやジェット燃料などの石油製品の消費が減少し、製油業者の利益率を圧迫。核合意が再建されればイラン産燃料油のアジアへの供給が増える可能性があり、市場はそうした事態にも身構えている。

  シンガポールの石油精製マージンは4月末の1バレル=1.65ドルから5月半ばには3セントまで縮小。コロナ禍から回復しつつある製油業者にとって打撃となったが、マージンはその後やや回復。ワクチン接種ペース加速が需要を後押しする中、7-9月(第3四半期)にも拡大軌道に戻ると予想されている。

Refiners in Asia struggling to make profits as virus weighs on demand

  アジアで原油をガソリンに精製する平均利益(原油価格と石油製品価格の差を示すいわゆるクラック・スプレッド)は5月、前月から減少。マレーシアやベトナム、日本など域内各地での制限措置で、輸送用燃料の需要が落ち込んだ。インドの製油業者は域内市場の鈍化と共に国内消費の減少にも見舞われ、稼働率を維持する先の計画を断念し、操業を抑えている。  

  シンガポールの石油精製マージンは5月28日時点で1バレル=80セントで、5月の平均は71セント。コロナ禍以前の2019年の同じ時期は2.41ドルだった。

原題:Asia Refiners Face a Double Blow to Profits from Iran and Covid(抜粋)

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