【米国市況】S&P500が連日最高値、来週のFOMC会合に注目移る
Vildana Hajric、Claire Ballentine11日の米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は日中もみ合った後、最高値を小幅に更新して終えた。インフレ見通しや米金融政策の軌道が引き続き意識された。
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テクノロジー株が買われた一方、ヘルスケア銘柄や不動産株は値下がり。肝疾患治療薬の開発を中止したバーテックス・ファーマシューティカルズは急落した。
前日発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は、経済活動再開への感応度が高い分野が主な物価上昇圧力になったことを示し、インフレ圧力は年内に和らぐ可能性があるとの見方が強まった。
S&P500種は前日比0.2%高の4247.44。ダウ工業株30種平均は13.36ドル(0.1%未満)上げて34479.60ドル。ナスダック総合指数は0.4%上昇。
米国債市場ではニューヨーク時間午後4時36分現在、10年債利回りが2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.45%。依然、3月以来の低水準付近にとどまった。
投資家は米金融当局の資産購入と金利に関する次の行動について手掛かりを求め、来週開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の会合に目を向けている。
USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「成長とインフレは上向き傾向が続き、リスク資産の支えになるというのが依然当社の基本シナリオだ」と指摘。「金利が若干低下して、低めの水準にとどまっているのは興味深い。米低金利政策の長期化を市場が確信していることを示唆しているようだ」と述べた。
外国為替市場ではドルが主要10通貨に対して全面高。米国債利回りの上昇が背景。インフレ上昇は一時的で、米金融当局が早急な政策引き締めを迫られることはないとの見方が広がっている。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、0.5%上昇。ニューヨーク時間午後4時37分現在、ドルは対円で0.3%高の1ドル=109円66銭。ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=1.2106ドル。
ニューヨーク原油先物相場は続伸。週間ベースでは3週連続の上昇となった。原油市場の需要回復に弾みがついており、国際エネルギー機関(IEA)は石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」に対し、市場への十分な供給を維持するために生産量を引き上げる必要があると指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は、前日比62セント(0.9%)高の1バレル=70.91ドルで終了。終値で2018年10月以来の高値。週間では1.9%値上がりした。ロンドンICEの北海ブレント8月限は17セント高の72.69ドル。週間では1.1%上昇した。
ニューヨーク金相場は下落。米国債利回りが3カ月ぶり低水準付近から上昇し、ドルが値上がりしたことを背景に、金は前日に米CPIが発表された後の上昇分を一部消した。
スポット価格はニューヨーク時間午後4時42分現在、1.2%安の1オンス=1876.03ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、0.9%安の1879.60ドルで終えた。
原題:Stocks Rise to Record With Focus Turning to Fed: Markets Wrap(抜粋)
Dollar, Yields Advance as Traders Weigh Fed’s Path: Inside G-10(抜粋)
Oil Rises for Third Week With IEA Flagging Need for More Crude(抜粋)
Gold Heads for Weekly Loss as Dollar and Yields Rebound(抜粋)