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HSBC「腐敗した」外為デスクがフロントランニング-元顧客が提訴

  • 04-06年のレート操作で数十億ドルの注文に影響出たと為替投資会社
  • 英米当局に多額の制裁金支払った時代より古い過去暴く

英銀HSBCホールディングスの元顧客が同行を相手取り、同行の外国為替デスクが15年余り前に「フロントランニング」と呼ばれる手法に関与したと主張する裁判がロンドンで始まった。

  HSBCの為替チームは、同行がこれまで認めたよりはるか以前から顧客の注文情報をいち早く知り先回りして利益を得る取引を意図的に行っていたと為替投資会社ECUグループは訴えた。

  ECUの代理人リチャード・リサック弁護士は14日の審理で、英米当局の調査を決着させるため多額の制裁金などを支払ったエピソードよりさらに年代の古い「過去を描く続編」ともいえる「HSBCの不名誉な歴史」が裁判で検証されることになると述べた。

  HSBCのマーク・ジョンソン元外為トレーディング・グローバル責任者は、顧客の大口注文を事前に知り先回りして取引したとして刑事責任を問われ、収監された。ECUはHSBCが2004年から06年にかけてレートを操作した結果、数十億ドル相当の注文に影響が出たと主張した。

HSBCの為替トレーダー、機密情報で不正利益と元顧客が提訴

  当時のトレーディングデスクは、顧客の注文を「金持ちになる好機」と捉えていたようだとリサック弁護士は指摘し、それを「腐敗した」企業風土と呼んだ。

  HSBCは裁判所に提出した文書で、「このような古い主張を蒸し返すシニカルで日和見的な試み」であり、時効だと反論。広報担当者はそれ以上のコメントを控えている。

原題:HSBC’s ‘Rotten’ Traders Accused of Gaining From Secret Info (2)(抜粋)

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