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米国債利回り、成長懸念がショートスクイーズ引き起こし低下を増幅

  • 10年物利回りは1.35%を下回り30年物は2%割り込む
  • 需給環境も強気要因、今週の入札は短期証券のみ

米供給管理協会(ISM)の6月非製造業総合景況指数が市場予想を下回ったことを受け、6日の取引で米国債利回りは4カ月ぶり低水準を付けた。

  10年物利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して1.35%を下回り2月24日以来の低水準となった。30年物は1.971%を付け200日移動平均を試した。

  ジェイ・バリー氏らJPモルガン・チェースのストラテジストはリポートで「データに対するここ1週間の米国債市場の大きな反応とインフレ連動米国債(TIPS)市場での反応の薄さは、この動きがショートカバーによって増幅されたことを示している」と指摘した。同行の最新の顧客調査は年間で最高付近の米国債ショートポジションを示していた。

Supply drought and concern over growth drives rates lower

  ウォール街アナリストの一部は不意を突かれた。TDセキュリティーズのストラテジストらは10年物米国債のショートを勧める案を撤回した。「ショートカバーと夏の取引の薄さが上昇を増幅させた可能性が高い」と説明した。

  今週も入札は短期証券のみで、需給環境も強気要因になっている。また、投資家は7日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を待っている。

  ISM指数が示した減速は、米国債値上がりに幾分の経済的根拠があることを示す。利回り低下は「米経済の現在の上向き基調が一時的にすぎない」との見方も反映していると、BMOキャピタルマーケッツのストラテジスト、イアン・リンジェン、ベンジャミン・ジェフリー両氏がリポートで分析した。

  米連休明けに複数のストラテジストが利回り低下予想を示したことも買いを促した。アナリストらはインフレ抑制での米連邦準備制度の実績などを指摘した。

原題:
Treasury Yields Down With Growth Worry Spurring Short Squeeze(抜粋)

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