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【欧州市況】株は続落、英国債は金融当局者の発言を手掛かりに下落

15日の欧州株は続落。政策当局者の発言によって、インフレ加速や企業業績を巡る投資家の懸念が強まった。

  ストックス欧州600指数は1%安。セクター別株価指数は総じて下落した。この日はエネルギー株が特に売られた。小売株も安い。ファッションのオンライン販売業者、英エイソスが売り上げ鈍化を指摘したことが売り材料となった。

  欧州株は最高値付近で推移しているが、景気回復への投資家の楽観は、物価上昇圧力や金利上昇、将来的な金融政策引き締めの見通しといった懸念によって試されている。

  米セントルイス連銀のブラード総裁は、米金融当局はインフレと雇用の両方に関して「一段と顕著な進展」を遂げるという目標を達成したとし、景気刺激策の縮小で前進するよう求めた。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はインフレの上昇ペースが当局の予想を上回っていることを認めた上で、刺激策の縮小は依然として時期尚早であるとの見方を示した。

  イングランド銀行(英中銀)のラムスデン副総裁は、英国のインフレ率のピークは4%近くになる可能性があるとの見方を示している。

英経済、今四半期中にコロナ前の水準を回復も-ラムスデン中銀副総裁

  クロスブリッジ・キャピタルのマニシュ・シン最高投資責任者(CIO)は「今後数日間は市場のボラティリティーが高まるとみている。しかし株式相場の基本シナリオは変わらない。つまり、相場は上昇傾向にあり、中央銀行が近く金融政策を引き締めることはないということだ」と述べた。

European shares decline from records with inflation in focus

  欧州債市場では英2年債利回りが2月以来の大幅な上昇となった。短期金融市場の動向によれば、イングランド銀による来年5月の15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げが織り込まれている。従来は来年8月だった。

  イングランド銀の金融政策委員会(MPC)外部メンバー、ソーンダース委員が「1-2カ月のうちに」債券購入プログラムの縮小を検討すべきだと述べたことに反応した。

英中銀ソーンダース氏、「1-2カ月のうちに」刺激策縮小の検討も

  ドイツ債は上げ幅を縮小した。

主要国債の利回り 
ドイツ10年債利回りは1bp低下してマイナス0.33%
イタリア10年債利回りは2bp上昇して0.73%
フランス10年債利回りは1bp低下して0.01%
英10年債利回りは5bp上昇して0.67%

ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)

原題:European Stocks Drop as Investors Grapple With Inflation Worries、Gilts Slump on Saunders’ Hawkish Comments; End-of-Day Curves

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