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日本株は3日続落、米大型株安と国内新型コロナ拡大-医薬や精密安い

更新日時

東京株式相場は3日続落。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がハト派的な姿勢を維持したことなどから前日の米長期金利が低下。米国で株価上昇をけん引してきた大型ハイテク株などグロース(成長)銘柄が売られ、国内でも電機や精密、医薬品、情報・通信などのグロース銘柄を中心に下げた。国内の新型コロナ感染者増加も懸念要因となった。

  • TOPIXの終値は前日比7.42ポイント(0.4%)安の1932.19
  • 日経平均株価は276円01銭(1%)安の2万8003円08銭
TOPIXの推移

市場関係者の見方

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト

  • 今日の日本株は主体性がなかった。来週は営業日の制約もあり、緊急事態宣言やファーストリテイリングの予想修正などで再来週から本格化する国内企業の決算は見通しづらくなった
  • 新型コロナ変異株は1回のワクチン接種では効かないとのことで、日本の働き手の多くは1回打ったかどうかの状態。今後の感染動向が懸念され、陸運や空運など経済再開銘柄には重しになった

みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジスト

  • 新型コロナウイルス感染拡大による悪影響への不安が続く。英国で死亡者と病床使用率が上昇し、日本も五輪後は第3波の水準を超えるとの予想がある。緊急事態宣言の早期解除は難しくなる可能性があり、7-9月期の経済成長への期待は厳しくなる
  • フィラデルフィア連銀製造業指数は景況指数も仕入価格とも低下、米鉱工業生産は自動車が減っており、サプライチェーンの制約だと思うが、景気モメンタムにピーク感がみられる
  • パウエル議長の発言では、早く動きすぎて失敗する懸念も示しており、シカゴ連銀のエバンス総裁は2024年の利上げを予想し、FRBの金融正常化へのトーンは落ちている

東証33業種

下落率上位医薬品、精密機器、鉱業、陸運、その他製品、石油・石炭、建設
上昇率上位海運、鉄鋼、非鉄金属、証券・商品先物、ガラス・土石、輸送用機器

背景

  • パウエルFRB議長、一時的インフレ説でまた防戦-リスクには留意
  • 米鉱工業生産指数、6月は製造業が予想外に低下-自動車が低迷
  • TSMC株、2カ月ぶり大幅安-堅調な半導体需要も利益率巡り懸念
  • 米国株は下落、景気回復の持続性を懸念、ナスダック0.7%安
  • 米10年債利回りは1.30%と5ベーシスポイント低下
  • ドル・円相場は1ドル=110円00銭前後で推移、前日の日本株終値時点は109円84銭
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