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コロナ禍に誕生したヘッジファンド、23%リターン実現-AMCに投資

  • グロッパー氏はAMC債を額面1ドル当たり20セント前後で購入
  • ハーツの債券への投資もカロネードの運用成績を押し上げた

ヘッジファンドの運用担当者ダン・グロッパー氏はオンライン掲示板「レディット」に群がる投資家が主導する形で映画館チェーン、AMCエンターテインメント・ホールディングスの株価上昇が始まった時に同銘柄をショートにしていた。

  しかし、ショートポジションの20%を1月26日、残りをその翌日に解消した。株価は26日に5ドル未満だったが、27日には約20ドルに急上昇した。アウレリウス・キャピタル・マネジメントやフォートレス・インベストメント・グループで資産運用を手掛けた同氏は、カロネード・キャピタル・マネジメントを設立し、新しいファンドの運用を開始してからちょうど半年を迎えていた。

  マルチ戦略を採用するクレジットファンドのカネロード(運用資産3億ドル=約330億円)にとって、AMCのショートはディレクショナル戦略でさえなく、相当低い価格で取引されていたAMCの第二順位担保付き債券に対する投資のヘッジだった。事情に詳しい関係者によると、グロッパー氏は額面1ドル当たり20セント前後で同債券を買い始めた。

  結果的にこの投資はグロッパー氏にとって最大級のリターンをもたらした。債券は購入後に4倍に値上がりし、運用開始から1年間でプラス23%、今年1-6月ではプラス10%となった同氏のファンドの運用成績に貢献した。AMCのヘッジを迅速に解消していなければ、結果はかなり違ったものになっていただろう。カロネードの広報担当ポール・カミニッティ氏はコメントを控えた。

  一方、レンタカー会社ハーツ・グローバル・ホールディングスの債券への投資もカロネードのリターンを押し上げた。ハーツは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の早い時期に連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したが、その後、個人投資家の間で人気が沸騰した。

原題:
Hedge Fund Born in Pandemic Reaps 23% Gain From AMC, Hertz (1)(抜粋)

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