ビットコイン最高値から50%下落、暗号資産ローンやデリバティブ直撃
Justina Lee-
ベーシス取引やイールド・ファーミングなどの戦略も妙味乏しく
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5月の暗号資産急落以降、分散型金融の取引活動は減速
暗号資産(仮想通貨)ビットコインのバブルは2021年に収縮しており、月に向かうような高騰の臆測と多大なレバレッジで築かれた1兆3000億ドル(約143兆円)規模の関連業界を直撃している。
最近の急落の打撃は仮想通貨のローンやオプション、先物の世界に広がっており、ベーシス取引やイールド・ファーミングといった金もうけの戦略を台無しにしている。
ビットコインは21日に反発したものの、過去2カ月のレンジの下限付近の3万1700ドル前後にあり、4月のピークから約50%下げた水準だ。
ヘッジコストが上昇し、大きな話題になった分散型金融コミュニティー全体での取引が減退する中で、強気派が自制の必要性を学んでいることを意味する。
クリプト・プライムブローカー、ビクオンツのジョージ・ザルヤ最高経営責任者(CEO)は「熱狂はトーンダウンした。」と述べ 「毎日24時間開いている市場であるため、業界全体が疲れ果てている。格好のタイミングで夏が来た。少し休息が必要だ」と語った。
5月の急落後、仮想通貨の投機家がまだ度胸を取り戻していない兆候を以下にまとめた。
クリプトコンペアのデータによれば、スポットとデリバティブの今月の売買高はこれまでのところ2兆6000億ドルと、昨年12月以来の低水準となるペース。アクティブな新規ビットコインアドレスの数も減少した。
強気センチメントの後退はベーシス取引の反転にも表れている。ベーシス取引は、先物市場とスポット価格の差に注目してサヤを取るもので、かつては利潤の厚いクオンツ戦略だった。
分散型金融(DeFi)の世界では、取引活動が減速している。DeFiで固定された総額は540億ドルと、5月のピーク時の890億ドルから減少した。
原題:
Bitcoin’s 50% Drop From Peak Hammers Crypto Loans, Derivatives(抜粋)