米テーパリングは来年早期に開始へ、MBSに重点-エコノミスト調査
Steve Matthews、Sarina Yoo-
エコノミストの大多数、FRBパウエル議長の再指名を予想
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利上げは23年末までに2回、24年には3回を予測
米金融当局は来年に資産購入の縮小を開始し、住宅ローン担保証券(MBS)に縮小の重点が置かれると、エコノミストらは予想。ブルームバーグの調査によれば、2024年を通じて従来の想定よりも速いペースで金利を引き上げるともみている。
調査対象となったエコノミストのうち、半数強がMBSのテーパリング(段階的縮小)は米国債よりも相対的に速いペースで実施されると見込んでいる。住宅市場の過熱を抑えるため、複数の地区連銀総裁がこうしたアプローチを支持しているが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長とニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の姿勢は曖昧だ。
エコノミストらは23年末までに0.25ポイントの利上げが2回実施されるとも予想し、金融当局者らが6月に公表した金利予測の中央値と一致。24年には3回の追加利上げが行われるとみており、これは6月の当局者予想を上回る。エコノミストの大多数はバイデン大統領がパウエル氏をFRB議長に再指名すると見込んでいる。
調査はエコノミスト51人を対象に、7月16-21日に実施された。
連邦公開市場委員会(FOMC)は27、28両日に定例会合を開催。政策金利をゼロ付近に維持するとともに、月額800億ドル(約8兆8000億円)の米国債と同400億ドルのMBSの購入を続けると予想されている。米景気が新型コロナウイルス禍から回復する中、インフレと雇用に関して「一段の顕著な進展」が見られるまで債券購入を続けるとFOMCはこれまでに表明している。
今回の会合ではFOMC経済予測の公表はない。当局者らはテーパリング計画について議論する見通しだが、パウエル氏は刺激措置を減速するのは時期尚早だとの考えをこれまでに示唆している。
レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、スコット・ブラウン氏は「FOMCが利上げの時期を議論するのはずっと先だ」と調査に回答。「テーパリングは8月のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)か、9月のFOMC会合で示唆される可能性がある」とし、「正式な発表は11月までにあり、開始は22年の早期になる」と予測した。
エコノミストの4分の3は8月26-28日のジャクソンホール会合、あるいは9月21、22両日のFOMC定例会合で早期の示唆があると予想。ジャクソンホールではパウエル議長が講演する可能性が高く、9月会合では四半期の経済予測が公表される。
テーパリングの正式発表は12月に行われる公算が大きいと、エコノミストの半数近くがみており、71%が実際の縮小開始は22年第1四半期(1-3月)になると予想している。
パウエルFRB議長、再任にバイデン大統領顧問の間で幅広い支持
原題:
Fed Seen Speeding Taper of MBS in Early-2022 Start to Pullback(抜粋)