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FF金利実効レート、目標の下限に一段と近づく-短期の余剰資金流入

  • 実効FF金利が2週間で2回目の低下-27日には0.08%に
  • 翌日物リバースレポ金利との格差は3bpに縮小した

米金融当局が誘導目標を掲げる主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の実効レートが再び下がった。2週間で2回目の低下だ。短期の余剰資金がこうした市場に流入し始めていることがうかがえる。

  金融当局が0-0.25%のレンジ内維持を目指しているFF金利の実効レートは27日、1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して0.08%となった。FF金利の事実上の下限である翌日物リバースレポ金利との格差は3bpに縮小。需給不均衡や月末要因を背景に格差はさらに縮小する可能性がある。

米連邦準備制度の翌日物リバースレポ、短期金融市場の大量資金が圧倒

Fed funds effective rate slips closer to the bottom of the target range
 
 

  ゼロに向けた翌日物金利の下押し圧力は、マネー・マーケット・ファンド(MMF)にとって大きな頭痛の種になりつつある。こうした状況ではMMFが投資で利益を確保する能力が阻まれる。昨年にはバンガード・グループを含む多くの金融機関が低金利下でコスト負担に苦慮し、プライムMMFを閉鎖する動きが見られた。 

  米金融当局の長期にわたる資産購入に加え、米財務省の現金残高減少の結果、短期金融市場の金利には下押し圧力がかかっている。また、米財務省短期証券(TB)の供給縮小などで、投資家は先を争うように資金の置き場を探している。翌日物リバースレポ・ファシリティーの利用者は資金を引き出そうとせず、残高はここ数日に過去最高水準に達した。 

  クレディ・スイスのストラテジスト、ジョナサン・コーン氏は「金融システムの流動性は間違いなくまだかなり大きい状況にある」と指摘した。

原題:
Cracks Are Emerging in the Fed’s Floor as Key Target Rate Slides(抜粋)

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