日本株は続伸、企業の設備投資拡大を好感-選挙前の経済対策に期待も
伊藤小巻
更新日時
東京株式相場は大幅に続伸。4-6月期の法人企業統計の速報値で設備投資が5四半期ぶりのプラスとなり、景気に対する懸念が後退した。衆院解散の時期に関する報道を受けて、選挙を意識した経済対策への期待感も出た。電機や機械などの輸出関連株が上昇。情報・通信、医薬品、金融株などにも買いが入り、幅広い業種が値上がりした。
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市場関係者の見方
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
- きのう月末安のアノマリーで下落を見込んでいた投資家の買い戻し、ファンドのリバランスに伴う月初の買いなどが入っている
- 首都圏の新型コロナウイルスの感染状況がピークアウトの傾向を示し、懸案だったジャクソンホール会合も無難に通過したため、売る理由がなくなってきている
- 政治面では菅政権の支持率が低いため、選挙の勝敗にかかわらず支持率アップを狙った経済対策への期待感もある
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト
- 良好な企業の設備投資の伸びは、短期投資家の心理に対してプラスに働くだろう
- 国内の新型コロナウイルス新規感染者が減少傾向にあることも追い風
- ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派発言受けて、週明けの会議で運用方針を検討した大手の機関投資家がきのうから買い始め、きょうも足りない分を買っていることも想定できる
東証33業種
上昇率上位 | パルプ・紙、空運、証券・商品先物、保険、銀行、その他製品 |
下落率上位 | 海運、鉄鋼 |
背景
- 全産業設備投資5.3%増、5期ぶりプラス-4~6月法人統計
- 菅首相「今は衆院解散できる状況ではない」、9月中旬説を否定
- 米消費者信頼感指数、6カ月ぶり水準に低下-デルタ株への懸念で
- 【米国市況】S&P500下落、割高感を警戒-月間では7カ月連騰
- ドル・円相場は1ドル=110円台前半で推移、前日の日本株終値時点は109円81銭
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