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デイトレーダーはペンギンがお好き、NFTが「ミーム銘柄」熱冷ます

  • ビットコインは5万ドル回復も、レバレッジなど高揚感の指標は低下
  • パジー・ペンギンなど収集可能なキャラがソーシャルメディアで人気
Pudgy Penguins for sale on Opensea.

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 Source: Opensea

経営破綻したレンタカー会社への投資やビットコインの急騰を見込んだ賭けは時代遅れになりつつある。個人投資家の軍団はデジタルアートの世界に過去に見られないようなペースで押し寄せている。

  「パジー・ペンギン(ずんぐりしたペンギン)」や「ボアード・エイプ・ヨット・クラブ(ヨットクラブの退屈したサル)」といった収集可能なキャラクターがソーシャルメディアで人気を集めており、非代替性トークン(NFT)の8月の売上高は最大の市場「オープンシー」で30億ドル(約3300億円)に達した。これは前月の10倍余りに相当する。

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オープンシーのNFT取引高は8月から急増
出典:Dune Analytics

  デイトレーダーはコンピューターが生成したアバターにこぞって向かう一方、主要な暗号資産(仮想通貨)や「ミーム銘柄」など競合する投機的取引からは遠ざかりつつある。ビットコインは5万ドル台の大台を回復したが、レバレッジなど高揚感の指標は5月のピークを大きく下回っている。一方、米国株・オプション取引でロビンフッドのアプリを利用する人々の熱意がしぼみつつあることが、ウォール街のデータで示唆されている。

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  クリプト・プライムブローカレッジ、ビクアントの調査責任者マーサ・レイエス氏は「個人投資家の一部がNFTに流れている」とした上で、「実際考えても、サルやペンギンのJPEG(静止画像データ圧縮形式)を収集するほうが楽しい」と指摘した。  

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  NFTの取引急増は、政府経済対策による現金給付や金融緩和、ソーシャルメディア、新型コロナウイルス流行下でのステイホームの退屈さが背景にある。ボアード・エイプ・ヨット・クラブのNFTは平均価格が41.4イーサ(約15万6368ドル)と、7月31日の8.78イーサから急騰。パジー・ペンギンも2.6イーサと、100倍超に達している。イーサは仮想通貨の一種で、NFT取引に用いられる。

  NFT市場に勢いがある一方、今年に入って見られたミーム銘柄人気に代表されるようなオンライン掲示板「レディット」に触発された取引は勢いを失いつつあるようだ。UBSグループのデータによると、米株式市場では、ロビンフッドのユーザーなどに好まれる小口オプション取引が全体の18%と、2020年4月以来の低水準。バンダ・リサーチによれば、個人投資家による現物株購入も8月はここ3カ月で最少だった。 

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原題:
Day-Trading Army Goes All-In on NFTs as Meme-Stock Mania Ebbs(抜粋)

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