米国株にとって悪い月だった9月が終了-混乱さらに強まるとの見方も
Lu Wang (News)-
米株は9月28日に2%下落したが、ヘッジファンドの売りは「小幅」
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調整は1年前より大きなものになる可能性が高い-ミラー・タバク
9月終盤は株式市場がボラティリティー、ヘッジの加速、景気懸念に見舞われる時期となった。ただ、トレーダーのセンチメントの極端な変化を促すことはなく、それが一部のウォール街の古参投資家にとっては不安の種となっている。
S&P500種株価指数は月間ベースで2020年3月以来の大幅下落となったが、逆張り投資家が底入れを予想するほどの降伏の兆しは見られない。週前半に相場下落が続く中でも、ゴールドマン・サックス・グループが追跡するヘッジファンドによる売りは「小幅」にとどまった。また、S&P500種が4カ月ぶり大幅安となった9月28日、上場投資信託(ETF)からの資金流出は前週の水準を大きく下回った。
同時に、過去の下落局面から脱却する際に見られた積極的な買いも起こらなかった。S&P500種は9月30日に2回4385に近づいた後、下落に転じた。
株価が下落したのは、債券利回りの急上昇を受け投資家が高バリュエーションのテクノロジー株を敬遠したためだ。さらに米連邦債務上限を巡る不安、米金融当局に対する政界からの批判の高まり、サプライチェーンの混乱も懸念材料となった。
ただ、株価が大幅安を記録した日にもパニックは起きなかった。S&P500種が2%下げた9月28日、ヘッジファンドの空売りは横ばいだったことがゴールドマン集計の顧客データで示された。また、ブルームバーグのデータによれば、同日のETFからの資金流出は17億ドル(約1900億円)と、9月20日の120億ドルを下回った。
押し目買いの常連である個人投資家にも熱狂的な姿勢は見られなかった。個人投資家は強気オプションの購入を抑制し、株価下落を見込む賭けを拡大した。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は、相場が1年前のパターンに従う公算が大きいと分析。S&P500種は1年前、米国債利回り上昇を受け、10%調整していた。連邦準備制度が金融政策でよりタカ派になっているため、投資家は一段と大きな混乱に備えるべきだと同氏は指摘した。
同氏は「われわれは調整がさらに大きなものになる可能性が高いと考えている」と指摘。「米金融当局は今年、大規模な量的緩和(QE)プログラムを縮小しようとしているほか、市場が織り込んでいるよりも早期の利上げに言及し始めている。一方、昨年のこの時期は、QEが全面的に実施されていた」と述べた。
原題:A Bad Month for Stocks Ends With Few Signs the Drama Is Over(抜粋)