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米金融大手の首脳、コロナ禍の予期せぬ好業績の持続を予想-報酬増へ

  • モルガンSとBofAは投資銀行部門の収入が記録的水準に
  • JPモルガンは業績に報いるため報酬費増加見込む-シティ人員増強
Jane Fraser, chief executive officer of Citigroup Global Markets.
Jane Fraser, chief executive officer of Citigroup Global Markets. Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

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新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がウォール街の金融機関にもたらしたディールメーキングやトレーディングの予期せぬ大きな収入は、景気回復に伴い積み上がる一方だ。米銀大手の首脳はそうした状況がまだまだ続く兆候を指摘している。

  米銀大手の決算発表では、モルガン・スタンレーバンク・オブ・アメリカ(BofA)で投資銀行部門の収入が過去最高もしくはそれに近い水準となった。業界全体で株式トレーディング収入が劇的に急増し、シティグループではアナリスト予想を大きく上回る40%増加。注目されるゴールドマン・サックス・グループは15日に7-9月(第3四半期)決算を発表する。

  1年半にわたる活況は最近では事業の見直しを行う企業のディール意欲や、サプライチェーン問題やインフレ懸念の中で景気回復ペースに賭けるトレーダーが原動力となっている。複数の金融界首脳によると、今後もこうした状況が続く見通しであり、米金融当局にはコロナ禍に対応した景気支援策の縮小を求める圧力が高まっている。

  モルガン・スタンレーのシャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は14日、「投資銀行部門で準備中の案件は、広範にわたるセクターや地域で引き続き健全な状態で、現在の勢いを背景に活況が続くと予想される」とアナリストらに語った。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は米金融当局による資産購入のテーパリング(段階的縮小)は来年にかけて市場のボラティリティーを高めるとの見通しを示した。

  投資銀行業務やトレーディング業務の好調は、需要不振や長引く低金利が重しとなって伝統的な融資業務での利益獲得に苦戦している銀行にとっては安心材料だ。米銀最大手のJPモルガン・チェースは期末の個人向けローン残高が2%減、商業ローンは5%減った。

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  ディールメーキングの急増やその他収入の伸びは、JPモルガンで向こう1年に報酬増につながる見込みだ。同行は13日のアナリスト向け電話会見で、従業員のパフォーマンスに報いる方針を示した。シティなどライバルは担当デスクを強化する取り組みに言及。BofAも人材争奪戦で報酬費用が増える見通しを示した。

原題:
Wall Street Bosses See Windfall Lasting, Fueling Pay and Hiring(抜粋)

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