ソフトバンク株1年1カ月ぶり下落率、値下げで営業減益-野村格下げ
日向貴彦ソフトバンクの株価がおよそ1年1カ月ぶりの下落率を記録した。スマートフォン料金の値下げで7-9月期(第2四半期)の営業利益が減益となり、市場予想も下回ったことに対しアナリストの間ではネガティブに受け止める声が多い。野村証券は投資判断を引き下げた。
ソフトバンク株は5日の日本株市場で一時前日比5.5%安の1502円と8営業日ぶりに急反落し、昨年9月29日(6%)以来の下落率となった。水準は10月6日以来、約1カ月ぶりの安値。
4日に発表した第2四半期の営業利益は前年同期に比べ7.1%減少し、市場予想(2963億円)を下回った。スマホを含むコンシューマ事業のセグメント利益が17%減となり、主力のモバイル部門は7%の減収だった。宮川潤一社長は決算会見で、通信料金の値下げは「経営に非常に厳しい状況」と説明し、値下げの影響は上期で260億円になったことを明らかにした。
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券の田中秀明シニアアナリストはリポートで、四半期の営業利益が市場予想を下回った上、「主要回線数純増や法人事業の増益率も若干物足りない印象のため、目先の株価にはややネガティブ」と分析。SMBC日興証券の菊池悟アナリストは、「通信事業の再成長を実現するために、設備投資やユーザー獲得での大胆なコスト改革を急ぐ必要があろう」とみている。
野村証券では、投資判断を従来の「買い」から「中立」に引き下げた。携帯市場全体の解約率が上昇している点や料金値下げによるARPU(1契約当たり売上高)低下の影響を従来より厳しくみると説明。これまでの株価上昇で、「今後の株価アップサイドが限定的と判断」したという。