英中銀チーフエコノミスト、変異株リスクが景気見通し変える可能性
Philip Aldrick、David Goodman (London)-
数カ月以内の金利上昇示したガイダンス、狂い生じることも-ピル氏
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全体的な発言内容はタカ派、次回会合での利上げ支持も示唆
イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミストを務めるヒュー・ピル氏は、新型コロナウイルスの新たな変異株やロックダウン(都市封鎖)の再導入リスクが景気回復に対する政策当局者の見方を一変させる可能性があると述べた。
ピル氏は26日、新たな変異株が英国にやってくれば、数カ月以内に金利は上昇する必要があるとした英中銀のガイダンスに狂いが生じることもあり得ると指摘した。南アフリカ共和国で最近特定された変異株への懸念から、世界の金融市場が混乱している。
中銀の利上げ見通しが市場で後退、コロナ変異株懸念-円急騰で113円台
「金融市場の混乱、あるいはパンデミック(世界的大流行)の再発生やロックダウンの再導入があれば、世界に対する金融政策当局の見方は明らかに変わることになる」と、ピル氏はイングランド北部で実業界幹部らに発言。「そうならないことを望む。実際、将来についてはわからない。このような不確定要因の管理が最も難しい」と続けた。
ピル氏の発言は利上げ見通しにやや疑問を持たせるものだったが、全体としてはタカ派的な内容だった。「政策行動に向けた準備は今や整っている」と述べ、10月の金融政策委員会(MPC)会合で0.25ポイントの利上げを支持した2人の委員に加わる用意があることを示唆。この会合ではMPCのうちピル氏ら7人が金利据え置きに賛成票を投じたが、複数の委員に動く用意があると同氏はほのめかした。
原題:
BOE’s Pill Says Covid Risks Can Still Derail U.K.’s Recovery(抜粋)
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