コンテンツにスキップする
Subscriber Only

中国コロナ対策、北京に照準シフト-孫副首相が迅速な封じ込め促す

更新日時
  • 孫春蘭副首相が北京視察、厳格な「ゼロコロナ」政策の順守を指示
  • 北京の新規感染、制限措置でも1日当たり数十件の報告続く

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

中国政府の新型コロナウイルス対策を率いる孫春蘭副首相は、危機が収まりつつある上海から首都北京に照準をシフトさせた。感染の報告が続いている北京市当局への圧力を強めており、一段と厳格な措置を実施する可能性を示唆している。

  孫副首相による全国の感染ホットスポットの視察は通常、中央政府の優先課題を反映しているとされる。23日には北京当局に対し、厳格な「ゼロコロナ」政策を順守し、市中感染をより迅速に封じ込めるよう促した。国営メディアによると、副首相はコロナ感染に新たに見舞われた地区を視察。それには幾つかの名門大学がある北京の海淀区が含まれた。

  この1カ月間に上海を拠点としていた孫副首相が北京を訪れたことは、中央政府の忍耐が限界を超えつつあることを示す兆候かもしれない。北京の23日のコロナ新規感染者は48人と、今回の感染拡大局面で最多だった22日の99人から減少。新規感染の数字は比較的低水準にとどまっているものの、和らぐことがない状態が1カ月近く続いており、大規模検査や一部地区での在宅勤務命令などが感染抑制に十分ではないことを示唆している。

北京ロックダウンの懸念、再び強まる-新規感染100人に迫る 

Situation In Beijing As City Sees Most Cases This Outbreak, Reviving Lockdown Angst
コロナ検査(北京、5月23日)
Source: Bloomberg

  当局は警備員から配達員、清掃スタッフに至る幅広い職種の人を対象にコロナ感染予防のための規則を強化する方針を示した。厳しい勤務シフトや「N95」マスクの常時着用などが含まれる。企業の対応がずさんで、エッセンシャルワーカーが感染した場合は責任を問うと、北京市政府の報道官は述べた。

Situation In Beijing As City Sees Most Cases This Outbreak, Reviving Lockdown Angst
北京の地下鉄駅(5月23日)
Source: Bloomberg

  孫副首相(72)は唯一の女性副首相、政治局員で、今年後半の人事刷新で引退すると予想されている。ソーシャルメディア上では、孫副首相が訪れたところはロックダウン(都市封鎖)が行われているとの投稿が見られる。実際、副首相の訪問後に一層厳しい封じ込め措置が取られるといったパターンが続いている。

原題:China Virus Czar Turns Focus to Beijing as Outbreak Lingers (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE