ウォール街のストラテジスト、米株式相場の反発は短命の公算大と予想
Jess Menton-
S&P500種が8月半ばまでに3400近くに下落へ-モルガンS
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反発の持続可能性には引き続き懐疑的-CFRA
ウォール街のストラテジストの間では、先週の米株式相場の反発が見せかけであり、その後にさらなる売り局面が到来するとの見方が広がりつつある。長引く高インフレで米国の経済と企業収益の伸びに対するリスクが残るという。
過去20年で最長の週間ベースの下げ局面に先週歯止めがかかったS&P500種株価指数は5月31日に軟調に推移。前週末比0.6%安で終了した。モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカ(BofA)などのアナリストは相場が一段安になると予想する。
ウォール街で最も弱気派の1人、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は顧客向けリポートで、最近の反発は売られ過ぎの状態が要因であり、米金融当局が9月に利上げ停止を議論し得るとの期待に関連していると指摘。企業利益予想は依然として高過ぎ、S&P500種は第2四半期決算発表シーズンが終わる8月半ばまでに3400を付けると予想した。これは5月27日終値から18%の下落余地を示唆する。
BTIGのチーフ・市場テクニシャン、ジョナサン・クリンスキー氏は3400ー3500への下落を見込むが、「夏の後半か初秋になる公算が大きく」、その前に3800ー4250の間でもみ合うとの見通しを示した。
歴史的な相場下落はまだ終わっていない-BofAストラテジスト
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏はS&P500種の反発の背景について、株価収益率(PER)が向こう1年の予想利益ベースで16.8倍と、2020年4月初旬以来最低となり、過去20年平均を1.1%下回ったことがあると指摘。「相場は少なくとも短期的に反発する状況が整っていた。この反発の持続可能性についてわれわれは引き続き懐疑的だ」と述べた。
原題:
Wall Street Thinks Any Stock Market Rally Will Be Short-Lived(抜粋)