ステート・ストリート、クレディS買収観測に対応せず-株価急落
Annie Massa-
スイスのニュースサイト、ステートSが買収案提示の可能性と報道
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ステートS株価は一時6.7%安、「可能性低い」とアナリスト
米ステート・ストリートは、同社がクレディ・スイス・グループの買収を模索しているとの報道内容に対しコメントを控えた。この対応を受けて、ステート・ストリートの株価はほぼ2カ月ぶりの大幅安となった。
ステート・ストリートは8日の電子メールで「先の報道について当社は対応しない」として、まだ完了に至っていない米ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のインベスターズ・サービシズ部門買収に注力していくと説明した。
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8日の米株式市場で一時6.7%安まで下落したステート・ストリート株は5.4%安の69.04ドルで終了した。クレディ・スイスの米国預託証券(ADR)は1%安の6.87ドル。
スイスのニュースサイト、インサイド・パラデプラッツ(IP)は、ステート・ストリートがクレディ・スイスに買収案を提示する可能性を関係者の情報として報じていた。8日のチューリヒ市場では、クレディ・スイス株は3四半期連続の赤字見通しの発表を受けて下落していたが、この報道が伝わると上昇に転じ、3.8%高の6.96スイス・フランで取引を終えていた。
ジェフリーズのアナリスト、ケン・ウスディン氏は顧客向けリポートで、「多くの理由から、この組み合わせは極めて可能性が低いとみている。資本水準や保留となっているステート・ストリートのBBH部門買収、クレディ・スイスが多大な法的・事業面の問題を抱えていることがある」と指摘した。
クレディ・スイスの時価総額は185億スイス・フラン(約2兆5330億円)。これに対し、ステート・ストリートは254億ドル(約3兆3980億円)に上る。
ウスディン氏らアナリストはステート・ストリートによるクレディ・スイス買収の可能性に懐疑的な見方を示す一方、クレディ・スイスの資産運用事業はステート・ストリートにとって多少魅力を有するものかもしれないと話す。
エドワード・ジョーンズのアナリスト、カイル・サンダース氏は電話インタビューで、ステート・ストリートがクレディ・スイスの資産運用部門だけの買収を目指す路線の方が「可能性としてはもっと高いと見受けられる」と語った。
原題:State Street Falls After Staying Mum on Credit Suisse Report (2)(抜粋)