【ウクライナ】ゼレンスキー大統領、前線に近い南部訪問-兵士激励
Bloomberg News-
セベロドネツク近郊のロシアによる攻撃撃退とウクライナ主張
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ドンバス地域のウクライナ砲兵部隊をミサイル攻撃-ロシア国防省
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ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの戦争で前線に近い南部を訪問し、兵士や地方当局者らを激励した。両国はまた、少人数の捕虜を交換した。
ウクライナ側によると、同国軍は東部ドンバス地域での戦闘が続く中、重要都市セベロドネツク近郊でロシアによる攻撃を撃退した。一方、ロシア国防省は同地域のウクライナ砲兵部隊をミサイル攻撃したと発表した。
ドイツのショルツ首相は武器供与を含め、ウクライナ支援を強化すると約束。同国の欧州連合(EU)加盟に向けた動きを23、24両日開かれるEU首脳会議で支持するよう、他の加盟国に促した。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
捕虜交換
ウクライナとロシアはそれぞれ5人ずつ捕虜を交換した。ウクライナ側がメッセージサービス「テレグラム」で発表した。帰国するウクライナ人は全員が民間人で、うち4人はキーウ(キエフ)の住民という。
石油備蓄施設にミサイル
ロシアのミサイル3発がウクライナのノボモスコフスクの石油備蓄施設を破壊し、大規模火災が発生、11人が負傷したとレズニチェンコ知事が述べた。ドネツクから北西に約200キロメートルの地域。
ゼレンスキー氏、南部の前線視察
ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー大統領は黒海に近いオデーサで、滞っている農産物輸出について協議した。前線に近いミコライウでは破壊された建物を視察したほか、知事や現地司令官らと会談した。大統領府が模様をビデオで公開した。入院している負傷兵や民間人を見舞ったほか、医療スタッフを表彰した。
セベロドネツク
セベロドネツクを掌握しようというロシアの攻撃は失敗しつつあるとウクライナ当局者は話したが、同国側への圧力も近隣の都市で増している。セベロドネツクと対岸のリシチャンスクを結ぶ橋は破壊されたものの、ウクライナ軍への補給や必要な場合の避難は引き続き可能な状態だとルハンスク州のハイダイ知事は話した。同州を守るのに重要な都市であるリシチャンスクはウクライナ側が完全にコントロールしているという。
オーストリアへのガス供給、ロシアが半減
ロシアのガスプロムからオーストリアへのガス供給は3日連続で通常の半分程度になっていると、同国エネルギー担当省が発表した。それでも冬に備えた貯蔵拡大は可能という。ドイツやイタリア、スロバキアも同程度の供給削減があった状況を示唆している。
ロシア、ウクライナ砲兵部隊をミサイル攻撃
ドネツク州で米提供の「M777」りゅう弾砲や多連装ロケットシステムで武装するウクライナの砲兵部隊に対し、ロシア軍は12カ所で空中からミサイルを発射した。同国国防省のコナシェンコフ報道官が話した。これで過去1日ではウクライナに対し、空から計62回の攻撃実施となり、対象地域にはハルキウやリシチャンスク近郊が含まれると付け加えた。
ドイツ首相は支援強化約束
ドイツのショルツ首相は「引き続き金融資源を提供する。再建を助ける」とビデオメッセージで述べた。「ウクライナの独立を守るのに喫緊に必要とされる武器の供給も続ける」とも語った。ウクライナのEU加盟候補国としての立場をEU首脳会議で支持するよう、現加盟国に促した。
原題;Ukraine Latest: Zelenskiy Meets Troops; War Prisoners Exchanged (抜粋)