コンテンツにスキップする
Subscriber Only

暗号資産市場、長期保有者でも一部で「パニック売り」の様相に

  • 実現利益示す指標のSOPR、1年ぶりの水準に低下
  • 一部の長期保有者もコスト下回る水準で退出しているとアチソン氏

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

暗号資産(仮想通貨)市場が今年に入り崩れ去る中にあって、短期投機家は最初に売りに動いた保有者グループの一角だった。相場の下げが進んでいる今、 最も忠実な投資家層の一部でさえ市場から逃げ出しつつあるようだ。

  仮想通貨分析プラットフォーム、グラスノードのデータによると、特定の日にブロックチェーン上のデジタル通貨の動きからどれだけの利益を実現したかを示す指標のSOPRは、1年ぶりの水準に低下した。

  こうした状況から長期保有者に圧力がかかっているとみられ、どんな落ち込みでも乗り越える忠実で頑強な投資家層「ホドラー」にとって悩ましいサインともいえそうだ。

  ジェネシス・グローバル・トレーディングの市場インサイツ責任者ノエル・アチソン氏はインタビューで「長期保有者の売りも確認され始めたが、オンチェーンデータによると、その一部はコストを下回る水準で退出しており、パニック売りのようだ」と指摘した。

relates to 暗号資産市場、長期保有者でも一部で「パニック売り」の様相に
Source: Glassnode, Genesis
Source: Bloomberg

  グラスノードによると、SOPRは一定の時間枠におけるセンチメントと収益性に関する手掛かりを示し、ブロックチェーン上での全仮想通貨の実現利益に関する程度を反映する。平均を示すものであり、長期保有者全体が売りに動いていることや売り手全てが損失を出していることには必ずしもならない。だが多くの後退局面をしのいできた市場にとっては、流れを変える明白な材料が乏しい状況にあって新たな留意事項だ。

関連記事

ビットコインが2万ドル台回復、反発は短命との見方も

ビットコイン弱気相場、「最も深く暗い」段階に-長期保有者にも圧力

原題:

Crypto Market Starting to See Even Old-Timers ‘Panic Selling’(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE