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日銀重視の物価基調指標が上昇、予測に有効な指数は最高更新-5月

  • 刈り込み平均値は前年比1.5%上昇、4月の1.4%から伸び拡大
  • 上昇品目数の割合は69.2%と前月の68.8%を上回り過去最高

日本銀行が物価の基調判断で重視する各種のコア指標は5月に上昇率を高めた。先行きの予測に有効な「刈り込み平均値」は2カ月連続で過去最高を更新した。「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を28日公表した。

  刈り込み平均値は前年比1.5%上昇し、伸び率はデータがさかのぼれる2001年1月以降で最高だった4月の1.4%から拡大した。同指標は価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する。

  物価上昇率の高い順からウエートベースで中央(50%付近)にある品目の上昇率を示す「加重中央値」は0.4%上昇(4月は0.3%上昇)し過去最高となった。品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率を示す「最頻値」は0.5%上昇(同0.4%上昇)。上昇品目数の割合は69.2%と前月の68.8%を上回り最高を更新した。

物価の基調指標が上昇

出所:日本銀行

備考:対前年比

  日銀による先行きの基調的変動の予測力に関する各種コア指標の分析では、刈り込み平均値は、総務省が公表する生鮮食品を除くコアCPIとともに「パフォーマンスが総じて高い」とされた。コアCPIは原油価格の大幅な変動時には信頼性が低下しやすいという。

  24日に公表された5月のコアCPIは前年比2.1%上昇し、伸び率は消費税率引き上げの影響を除くと13年半ぶりに2%台に乗せた4月から横ばいだった。ウクライナ情勢の悪化を背景としたエネルギーと食料品の値上がりや円安が全体を押し上げ、2カ月連続で日銀が物価目標とする水準を超えた。

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