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【ウクライナ】リシチャンスクからウクライナ軍撤退、商船三井社長

更新日時
  • ルガンスク州での最後の拠点から軍撤収、ロシアは目標に近づく
  • 日本はロシア産LNG輸入継続が必要になるだろう-商船三井社長
Visitors look round destroyed Russian military equipment displayed at St. Michael's Square in Kyiv, Ukraine.

Visitors look round destroyed Russian military equipment displayed at St. Michael's Square in Kyiv, Ukraine.

Photographer: Andrew Kravchenko/Bloomberg

ウクライナは東部ルガンスク州における最後の主要拠点リシチャンスクから軍を撤収させた。「ウクライナ兵の命を守るために決定がなされた」と同国軍が説明した。

  ロシア国営メディアはこれより前、ショイグ国防相がプーチン大統領に対し、リシチャンスクを陥落させたことを報告したと伝えていた。ショイグ氏は同市を完全に掌握したと述べた。

  ウクライナとの国境から約40キロに位置するロシアの都市ベルゴロドで爆発が起き、3人が死亡、多数の建物が損壊した。ロシアはウクライナによる攻撃だと非難している。

  ウクライナ政府は4、5両日にスイスのルガーノで開催される会議で国家再建計画を公表する計画だ。

ウクライナが国家再建計画公表へ、今週の復興会議で-戦争泥沼化の中

Russia-Ukraine war
ウクライナ軍とロシア軍の戦闘で煙が立ち上る(リシチャンスク 7月2日)
Source: Anadolu Agency/Getty Images

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ロシア軍がリシチャンスク掌握

  ウクライナ軍は3日遅くにフェイスブックに、「リシチャンスクでの激しい戦闘の後、拠点と防御線からの撤退を余儀なくされた」と記した。これによりロシアは、ルガンスクとドネツクから成るドンバス地方の制圧という目標に一歩近づいた。

豪首相がキーウ訪問して追加支援表明

  オーストラリアのアルバニージー首相はウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問して、ゼレンスキー大統領と会談。ドローンなどを含む1億ドル(約135億円)の追加軍事支援を約束した。

UKRAINE-AUSTRALIA-DIPLOMACY-RUSSIA-CONFLICT
会談後に記者会見を行ったアルバニージー豪首相(左)とゼレンスキー大統領(キーウ、7月3日)
Photographer: Miguel Medina/AFP/Getty Images

日本はロシア産LNG購入継続せざるを得ないだろう-商船三井社長

  日本はロシア産の液化天然ガス(LNG)の輸入を続けざるを得ないだろうと、商船三井の橋本剛社長が英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に述べた。スポット価格の高騰と、日本国内で利用可能な原子力発電所が限られていることを理由に挙げた。

プーチン氏に和平交渉の用意なし-カービー氏

  米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は、ロシアのプーチン大統領について、ウクライナでの戦争を終わらせるための交渉に関心を示している兆しはないと、FOXニュースで述べた。

原油380ドルに上昇も-JPモルガン

  原油相場は欧米による制裁がロシアの報復的な生産削減につながれば、1バレル当たり380ドルという「成層圏」に達しかねない。JPモルガン・チェースのアナリストらが警告した。

原油380ドルも、ロシアの生産削減最悪シナリオなら-JPモルガン

蛇島からの撤退巡るロシアの主張
Source: Bloomberg

ウクライナ外相がEU上級代表と協議-G20前に

  ウクライナ外務省によると、クレバ外相と欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は7日からインドネシアのバリ島で開かれる20カ国・地域(G20)外相会議を前に協議した。同相は両者が欧州連合(EU)のロシア制裁第7弾に取り組んでいると述べた。

  ボレル副委員長によれば、G20外相会議では当局者がロシアのウクライナ侵攻に伴う「世界的な食料危機の影響を協議」する。

東部リシチャンスクは完全に包囲と分離派当局者-ウクライナは否定

  インタファクス通信によると、ロシアが支援するウクライナ分離派の当局者は2日、リシチャンスクが完全に包囲されていると語った。ウクライナ側は包囲を否定している。

ロシアがイタリアへのガス輸出を15%削減-伊環境相

  イタリアのチンゴラーニ環境相はスカイTG24に対し、ロシアが同国へのガス輸出を15%削減したことを明らかにした。

計画的で意図的なロシア側のテロ行為だ-ウクライナ大統領

  ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、ロシア軍が1日に行った同国南部オデッサ州へのミサイル攻撃による死者が少なくとも21人、負傷者40人に達したことを明らかにした。

  ウクライナ政府はミサイル3発が集合住宅などに打ち込まれたとしている。同大統領は「これは何らかの間違いや偶発的なミサイル攻撃ではなく、計画的で意図的なロシア側のテロ行為だ」と述べた。

ロシア、旧ソ連時代のミサイルに回帰の可能性-英国防省

  英国防省はロシア軍が旧ソ連時代のミサイルに立ち戻っている可能性が高く、「精度が劣り、精密爆撃には適さず、ほぼ確実にここ数週間、一般市民の犠牲者を繰り返し出している」との見方をツイッターに投稿した。

米、ウクライナへの8億2000万ドル規模の追加支援

  米国防総省はウクライナへの8億2000万ドル規模の新たな支援について、地対空ミサイルシステム(NASAMS)2基などが含まれることを明らかにした。同省の声明によれば、今回の支援でロシアによる2月下旬の侵攻開始以来の総額は69億ドルに上る。

EU、10億ユーロのウクライナ支援提案へ

  EUはウクライナの緊急の資金需要に対応し、当座の金融支援として10億ユーロを提案する。ただ、さらに規模の大きい支援に関する協議は、ドイツが引き続き阻んでいると事情に詳しい関係者が明らかにした。欧州委員会が88億ユーロの貸し付けを伴う支援策でドイツの承認を得られなかったため、短期的な支援を切り離す選択肢をEUが準備したという。

ロシア、防衛企業の活動を後押し-労働規則緩和へ  

  ロシア政府は防衛企業の兵器修理や軍需品生産を後押しするため、労働関連やその他の規則を緩和する。議会に提出された新たな草案で明らかになった。

  この草案では、米国とその同盟国による制裁を受ける中で「兵器や軍装備品を修理し、供給を確保する必要性が短期的に増している」と説明。必要に応じて夜勤や時間外業務を含む「特別措置」を導入する権限を政府に付与するとしている。

ウクライナ大統領、黒海の重要拠点の奪還を称賛

  ゼレンスキー大統領は黒海の要衝、ズメイヌイ島からロシア軍が撤退したことについて、黒海の状況を「大きく変化」させると称賛した。ただ、ロシア軍が戻らないという保証はないと慎重な姿勢を促した。

原題:Ukraine Latest: Kyiv Says Its Forces Withdraw From LysychanskUkraine Latest: Russia Steps Up Efforts to Capture LysychanskUkraine Latest: Death Toll in Friday’s Odesa Strikes Now at 21(抜粋)

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