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ユーロは0.8ドルに下落、弱気相場に移行-ヘッジファンドEDL予想

  • 高インフレが政治と債券市場を不安定にする可能性-EDL
  • ガス不足でインフレ高進、「欧州は分裂に至る恐れも」
Dollar Approaches Parity With The Euro
Photographer: Sean Gallup/Getty Images Europe

ユーロは20年以上前の発足当初以来の安値に下落すると、マクロヘッジファンド運営のEDLキャピタルは予想する。高インフレが政治と債券市場を不安定にし、ユーロ圏の団結が試される恐れもあるとみている。

  EDL創業者のエドゥアール・ドラングラード氏は、ユーロを押し下げた現在のドル高から変化し、「ユーロ弱気相場」が始まる可能性があると指摘。ロシアのガス供給を巡るリスクが過去最高水準にあるインフレを一段と押し上げてリセッション(景気後退)の時期に大幅な利上げを余儀なくされ、ユーロ圏を維持するコストへの不満がドイツで高まる可能性があるとの見方を示した。

  ブルームバーグが確認した今月の顧客向け書簡でドラングラード氏は、「欧州は大惨事の瀬戸際にあり、分裂に至る恐れもある」と主張。「ドルが全ての通貨に対して強いわけではないという状況に移るのではなく、ユーロ全面安に移行する可能性がある」とし、ユーロの目標を0.8ドルとした。

  自身のマクロヘッジファンドで7億5100万ドル(約1026億円)を運用する同氏は、大胆で多額の投資を行うことで知られる。2015年のファンド開始以来、運用成績は大半の期間でプラスだが、今年2月にはロシア資産への投資が裏目に出て過去最悪の月間成績を記録した。

ヘッジファンドのEDL、ロシア資産を切り離す-記録的損失後

EDLグローバル・オポチュニティーズ・ファンドリターン (%)
2022 *1.3
202115.9
202023.5
20196.3
2018-0.2
20175.9
201618.4
20151.5
投資家向け書簡から、 *は6月末までの成績 

 

原題:

Hedge Fund EDL Sees Euro Sliding to 80 US Cents in Bold Bet(抜粋)

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