英中銀、27年ぶり大幅利上げへ-保有資産も売却し緩和から転換
Seynabou Diouf、Philip Aldrick-
今年のインフレ率、11%に達する可能性-中銀目標は2%
-
金融政策委員会の決定、4日正午に発表-日本時間午後8時
イングランド銀行(英中央銀行)は今週、27年ぶりの大幅利上げを実施するとともに、過去10年間に提供した8950億ポンド(約145兆円)の流動性の引き揚げ戦略も発表する見込みだ。
ここ40年で最悪のインフレを抑え込むため、歴史的な金融引き締めを加速させる。英中銀は今年のインフレ率が11%に達する可能性があるとしている。中銀目標は2%。
英中銀は他の金融当局、特に過去2回で計1.5ポイントの利上げを実施した米連邦準備制度に後れを取ることも懸念している。ポンドは今年ドルに対し10%下落しており、利上げは通貨下支えの意味もある。
HSBCバンクのシニアエコノミスト、リズ・マーティンズ氏(ロンドン在勤)は「インフレ状況は大幅に悪化しており、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)が議論されているというベイリー総裁からのメッセージは中銀が強力な措置を講じる用意があることを示している」と話した。
投資家は英中銀が0.5ポイント利上げに踏み切り、政策金利を1.75%とする確率70%を織り込んでいる。2009年以来の高い金利水準になる。大半のエコノミストは0.5ポイントを予想しているが、モルガン・スタンレーやナットウエスト・マーケッツなど、リセッション(景気後退)リスクを理由に0.25ポイントを見込むエコノミストもいる。
金融政策委員会(MPC)の決定はロンドン時間4日正午(日本時間午後8時)に発表される。
ベイリー総裁はまた、中銀のバランスシート圧縮についての詳細も公表するとしている。英中銀は保有債券の満期償還金の再投資を2月に停止しており、次のステップは資産売却になる。総裁は1年目に500億-1000億ポンド相当を売却する可能性があると述べている。
利上げと資産売却は過去10年の金融緩和からの大きな転換となる。投資家は政策金利が23年序盤までに約3%に達すると予想。エコノミストはより低めに見積もっているものの、いずれも、減税を公約としているトラス外相が次期首相となればさらに大きな利上げが必要になるとみている。
原題:Bank of England Set for Biggest Interest Rate Rise in 27 Years (抜粋)